■株主還元策

サイバーコム<3852>は配当基本方針について、「将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、『安定した配当』 を継続して実施していく」としている。

内部留保資金については、今後予想される経営環境の変化に対応するための人材育成や経営情報システムの高度化に加え、情報セキュリティ強化対策への積極的投資、さらには、新製品及び新事業創出のための研究開発投資やM&A等に活用し、経営基盤の強化を図っていくとしている。

過年度の配当金と配当性向の推移を見てみると、業績の向上に伴い配当額は順調に伸び、配当性向は20%台から30%前後を推移している。2017年12月期は変則の9ヶ月決算だったが、上記方針に基づき、2017年3月期と同額の1株当たり13円の配当であった。通常の12ヶ月決算に比べ当期純利益額が小さくなるため、配当性向はやや高めの32.7%となったが、12ヶ月決算ベースで見るとおおむね30%前後が同社の想定する配当性向であるものと思われる。2018年12月期は、この基本方針に基づき2円増配の15円であった。2019年12月期は2018年12月に創業40周年を迎え、株主への感謝も含めさらに2円増配の17円を予定している。


■情報セキュリティについて

同社が進める事業はソフトウェア開発事業やそれに付随するサービス事業などで、顧客の個人情報も含めた情報の取扱いについては厳格な管理が求められる。そのため同社は、独自に「情報セキュリティ基本方針」及び「個人情報保護ポリシー」を定め、管理組織体制の構築、施策の実施・ 維持及びそれらの継続的な改善に取り組んでいる。渡辺剛喜(わたなべこうき)代表取締役社長、及び最高情報セキュリティ管理責任者の菊地直毅(きくちなおき)取締役から、経営会議その他の場で、情報セキュリティ教育や情報セキュリティ標語の社内掲示など、周知徹底に関する具体的な指示も出されているとのことである。

その一環として、2006年4月にはプライバシーマーク認証取得、2012年9月には情報セキュリティ・マネジメントシステムの国際規格であるISO/IEC27001/JIS Q 27001(通称:ISMS※)の認証を取得し、情報の取扱いの安全性を担保している。

※ISMS(Information Security Management System)は、情報資産を様々な脅威から守り、リスクを軽減させるための総合的な情報セキュリティ・マネジメントシステム。ISMSには国際・国内規格(ISO/IEC27001/JIS Q 27001) があり、この基準を満たし、認証を取得することを一般的に「ISMS取得」と呼んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 サイバーコム Research Memo(10):2018年12月期に続き、2019年12月期はさらに2円増配予定