■事業概要

1. 会社概要と沿革
エバラ食品工業<2819>は「黄金の味」や「すき焼のたれ」など調味料を製造販売する食品メーカーである。ほかに物流や広告など食品に関連する事業も行っている。同社は1958年に森村國夫(もりむらくにお)氏によって設立された。当初はソースやケチャップ、インスタントラーメンのスープなどを製造販売していた。高度経済成長期になり、日本人の食生活も豊かになって様々な肉料理が登場するようになると、同社は焼肉にターゲットを絞って研究を重ね、1968年に「焼肉のたれ」を発売した。女性の社会進出やホットプレートの登場が追い風となって「焼肉のたれ」は大ヒットし、家庭における焼肉市場を創出、「焼肉のたれ」は焼肉料理の定番となった。

この結果、同社の「焼肉のたれ」は圧倒的なシェアを持つようになった。しかし、独自の食文化を持つ関西で苦戦が続いていたため、関西の食味・食感に合わせて開発したのが「黄金の味」である。フルーツをベースに関西の嗜好に合わせた甘さととろりとした高級な食感のあるたれで、ネーミングも受け、関西でも大ヒットすることとなった。その後も1980年代の「すき焼のたれ」、1990年代の「浅漬けの素」など、それまでの市場になかった商品を時代時代で生み出し、日本の食卓に新たなメニューを提案、おいしさと楽しさを広げてきた。そして現在、新中期経営計画「Unique 2023」を掲げ、コア事業による収益強化と戦略事業の基盤確立、及び“エバラらしく&面白い”ブランドへの成長を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 エバラ食品工業 Research Memo(2):“エバラらしく&面白い”ブランドへの成長を目指す