(1) 成長戦略 a) 既存主力ブランドの育成、新ブランド開発による売上拡大 ブランド基軸経営の柱として、開発本部をマーケティング本部として再編した。「ピュレグミ」や「カンデミーナグミ」の第1ブランド室、「健康のど飴」や「ボイスケアのど飴」の第2ブランド室、「金のミルク」や「カンロ飴」の第3ブランド室の3つのブランド室を設置し、主力ブランドにはブランドマネージャー制を導入した。グミについてはマーケティング投資を強化し、のど飴は刷新、「金のミルク」は消費者とのタッチポイントを広げていく方針である。また、「素材を生かす」と「機能性」の2軸をベースに新ブランドを創造するほか、トレンドに対応した新商品も企画、創出する考えである。
b) 研究開発体制の強化(R&Dセンター) 研究開発体制を、マーケティング本部と連携したR&Dセンターとして新たに先進技術研究部と研究開発部を設置し、先進技術研究部では主力ブランドや新商品のさらなる価値向上を目指し、2軸による中長期視点でのシーズの開発、研究開発部では2軸をベースに目標品質・量産化の商品設計をしていく考えである。
c) グミ生産能力の増強 2019年2月中旬、約30億円を投じて新設された待望の新グミ製造ラインが松本工場内で本稼働を開始した。現在グミを製造している朝日工場と合わせ、生産能力を段階的に引き上げる計画である。グミはヘルシーなイメージがあるうえ、世代的に広がる余地を大きく残している。このため、今後も需要が拡大すると見られており、同社はグミを成長事業として位置付けている。今般の投資により、若い女性を中心に人気がある「ピュレグミ」のほか新タイプのグミも開発する計画で、グミの販売拡大に弾みをつける考えである。
(2) 経営基盤の強化 a) SDGsへの取り組み SDGs(SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS)への取り組みは、同社のサステナビリティ推進基本方針である「カンロは、糖を基盤とした事業を通じて、人々の健やかな生活に貢献し、持続可能な社会の実現に寄与する」に基づいている。5つの活動領域(糖の価値創造、事業を通じた環境負荷削減、食の安全・安心、人権・ダイバーシティの推進、組織統治)において目標数値を設定しており、2019年12月期下期発足予定のプロジェクトチームにて、具体的な施策を立案、実行する計画である。
b) 品質保証の充実 更なる品質向上を目指して、ひかり工場・朝日工場に続いて松本工場でも食品の安全規格であるFSSC22000の認証を取得する方針である。また、協力工場ではFSSC22000の基準に準拠した管理基準の導入を推進するほか、設備面では分析装置・検査機器など品質向上のための設備を導入する予定である。
c) コーポレート・ガバナンス体制の強化 主に社外取締役または社外監査役で構成するガバナンス委員会(任意諮問機関)を設置し、取締役の指名・報酬やその他諮問事項などを検討する体制を構築する計画である。