■TOKAIホールディングス<3167>の業績動向

1. 2019年3月期第3四半期累計業績の概要
2019年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%増の137,943百万円、営業利益が同7.0%増の7,038百万円、経常利益が同8.8%増の7,247百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同15.5%増の3,966百万円と増収増益決算となった。第3四半期累計の売上高としては過去最高を更新したことになる。2018年3月期に先行コストを積極的に投入した結果、2019年3月期第3四半期末のグループ顧客件数がCATV事業、LPガス事業、アクア事業を中心に前年同期末比59千件増の2,898千件に拡大したことが主因だ。なお、顧客件数を計画比で見ると、LPガス、「LIBMO」、モバイル等のコンシューマー向け情報及び通信サービス事業が下振れているものの、CATV、アクア事業が上回るペースとなっている。

営業利益の増減要因を見ると、気温が平年よりも高めで推移したことによる家庭用LPガスの販売量減少(4億円)やLPガス仕入価格の上昇(16億円)が減益要因となった一方で、顧客件数の積み上げによる増収効果(16億円)や顧客獲得・解約防止コストの抑制(7億円)、前年同期が開始初年度であった「LIBMO」の収支改善(2億円)が増益要因となった。会社計画比ではCATV事業、アクア事業、建築・不動産事業がそれぞれ若干上回ったものの、LPガス事業の下振れ(14億円程度)により、合計では11億円程度下回ったものと見られる。

なお、2019年3月期より次世代につなげる新たなサービス技術の活用として、「ABCIR+S」をテーマに様々な取り組みを開始している。具体的には、2018年10月にTLC会員サービス※の利便性向上を狙ったスマートフォンアプリ「TLCポイントアプリ」の提供を開始し、アプリ上でTLCポイントの確認・利用・交換等を行えるようにしたほか、同社グループから発信するサービス関連情報等をタイムリーに確認できるようにした。今後もアプリ機能の拡充により利便性の向上に取り組んでいく予定となっている。

※同社グループのサービスを利用することで付与されるポイントサービス。利用料金のポイント支払いや、他のポイントサービス・電子マネー等との交換も可能。2012年12月に提供を開始して以来、2018年12月末で会員数は783千件となっている。


また、2018年10月にビーサイズ(株)と提携し、AI・IoTを活用したあんしん子ども見守りサービス「みまもるAI GPS BoT」の提供を開始することを発表した。専用小型端末を見守り対象者に持たせることで、現在位置情報や行動履歴をスマートフォンアプリでリアルタイムに確認できるサービスとなる。子どもの毎日の生活習慣をAIで学習することによって、普段と異なる行動パターン(通学路等から逸脱した場合等)を示した際に異常を検知し、自動通知する機能を2019年3月期末までに追加する予定となっている。同社では「ABCIR+S」をテーマに今後も積極的な取り組みを進めていく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 TOKAI Research Memo(3):2019年3月期3QはLPガス事業の減益をCATV事業などの増益でカバー