■業績動向

● 2018年12月期の単体業績概要
MonotaRO<3064>の2018年12月期の単体業績は、売上高で前期比24.4%増の105,331百万円と初めて100,000百万円を突破し、営業利益で同17.3%増の14,278百万円、経常利益で同17.0%増の14,250百万円、当期純利益で同12.9%増の9,825百万円と各利益ともに高い成長性を維持した。

売上高に関しては、新規顧客獲得と既存顧客売上増の両面とも順調、前期比で大幅増となった。新規顧客獲得では、リスティング広告の強化、検索エンジン最適化(SEO)、新バージョンのTVCM放映、取扱点数の拡大(1,700万点超)などの施策が奏功し、新規顧客獲得数が拡大。通期で新規口座を62.5万口座獲得(過去最高)し、累積で336.3万口座となった。既存顧客売上は、2017年3月からの利用頻度向上施策※の効果が拡大・継続し、順調に成長した。さらに、購買管理システム事業(大企業連携)も好調。総連携社数が604社(前期比175社増)となり、同社売上構成比の12.9%まで成長した。

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売上総利益率は、前期比1.4ポイント低下した。主な内訳としては、値上げ等による配送料率が0.6ポイント増、商品ミックス変動(新商品拡大による粗利率の低下、NB商品販売比率増)と大企業連携増による粗利率の0.3ポイント低下が影響した。また、海外ロイヤリティの減少の影響もある。米ZORO事業自体は順調に成長しているものの、継続成長のためのシステム開発などの投資を優先するために減益となり、それに伴ってロイヤリティも想定より減少した。販管費率に関しては、前期比0.6ポイント低下した。尼崎DC及び尼崎コールセンターで人員確保のために業務委託費率が増加するも、増収効果及び前年の笠間DCの稼働開始関連費用が今期減によるコスト比率低下が上回った。

上記の結果として、営業利益は前期比17.3%増、営業利益率は0.8ポイントの低下となった。なお、前期の税制優遇(笠間DCへの投資が「生産性向上設備投資促進税制」の対象)が終了し税率が戻ったため、当期純利益は同12.9%増となった。

同社の月次業績推移を見ると、2018年は1月に大雪、7月から9月には台風や豪雨、熱波など気候変動が激しかったが、いずれの月も前年同月比20%前後の増加率を維持している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 MRO Research Memo(2):2018年12月期も2ケタの増収増益