■児玉化学工業<4222>の事業内容

創業時に大型真空成形機によるプラスチックス成形品を日本で生産開始したことが出発点となる。言わば、当時は今で言うベンチャー企業で、その後、樹脂加工の領域で技術を積み上げ、現在の主要事業は「自動車部品事業」、「住宅設備機器事業」の二本柱だ。直近の2019年3月期第1四半期(4月−6月)で、売上高は自動車部品が約2,800百万円、住宅設備機器が約1,600百万円。これに、第3の柱を模索するために新規事業も手掛けている。

1. 自動車部品事業
各種ピラー類、ラッゲージトリムやトランクトリム、ドアトリム、スポイラー、フェンダーカバー、インストルメントパネル、フロントスポイラーやスカートなどの自動車内外装品を大手自動車メーカーに供給している。国内ではトラックが主体、海外では乗用車を主体に展開してきた。

今後は、タイや中国など拡大する現地生産工場への部品供給を拡大していくと同時に、自社主導による受注体制を構築し、真の「システムサプライヤー」を目指している。

2. 住宅設備機器事業
主に洗面化粧鏡、キッチン、トイレ、バスなど、水周りに採用される樹脂製品を提供している。設計から生産までの、一貫した完全受託生産体制を確立、その技術力に対する評価は高い。とりわけ、強いのは、洗面化粧鏡、TOTO<5332>のトイレ関連製品で、ふたや箱などの部材を供給している。

国内のリフォームニーズへの対応、そして、今後飛躍的な伸びが期待できる東南アジア各国に向けた住宅樹脂製品の供給を積極的に図る意向だ。

3. 新規事業
セグメントでは、エンターテイメント事業のくくりで、ゲームのケースなどを手掛けている。このほか、将来的には介護用浴槽設備や車いす用テーブルなど、医療、介護など将来性に期待が大きい分野に力を注ぐ。

さらに、新技術として、後述するが、ガラス繊維マットプレス工法によるプラスチック製品の工業化に成功。既に、この新工法による製品がトヨタ自動車<7203>「レクサス」に採用されるなど、今後の期待製品として注目される。

一方、海外向けについては、 Echo Autoparts(タイ)では2002年より自動車部品事業を展開しており、引き続き本格的量産が開始された自動車各社戦略車種の部品事業における高稼働安定生産による収益の確保を図るほか、Thai Kodama(タイ) , Thai Kodama Vietnam(ベトナム)において冷機成形品事業と食品容器事業の拡大展開を進めている。

さらに、中国の現地法人である無錫普拉那塑膠有限公司では、当初扱っていた農機関連製品からトイレ関連製品にシフト、収益向上を図っている状況だ。

同社製品は、BtoBに位置付けられ、最終製品を日系企業に供給する形となっている。大手メーカーとの国内でのつながりを、そのまま海外において活用。自動車、ウォシュレットなど供給先の製品が進出エリアで拡大すれば、同社の収益も伸長するのは言うまでもない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 児玉化 Research Memo(2):自動車部品と住宅設備機器を中心に様々な樹脂加工品を扱う