■会社概要

1. 会社沿革
スカラ<4845>は1991年12月にデータベースサービスの販売代理店として創業したのが始まりで、1999年に三井情報開発(株)からメインフレーム用のデータベース管理システム「Model204」※のサポートサービスを顧客も含めて引き継いだことで業績が大きく成長し、2001年5月には大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現東証JASDAQ)に上場を果たした(現在は東証1部)。

※米国Computer Corporation of America及びSirius Software(現Rocket Software)が開発したDBMSで、国内では日本銀行<8301>や東京電力ホールディングス<9501>などの大企業が顧客となっていたが、市場環境の変化により需要がなくなり2016年秋にサービスを終了した。


企業の情報システムがメインフレームから小型サーバーへと移行するなかで、同社は成長を続けるためには事業構造の転換が必要と判断し、上場時に調達した資金を活用してM&A戦略によって情報サービス関連の企業を相次いで子会社化していく。2003年に特許管理システム事業(製品名:PatentManager)をインターサイエンス(株)から買収したのを皮切りに、CRM分野への参入を目的として(株)ディーベックス、IVR(自動音声応答)分野への参入を目的としてボダメディア(株)、ニュース配信サービスを展開していた(株)ニューズウォッチ、Webサイトの開発を行うトライアックス(株)などを相次いで子会社化し、SaaS/ASP事業をコア事業として拡大していくとともに、システムエンジニアの拡充により自社サービスの開発力強化を進めていった。

直近では、2016年7月に営業支援ソフト大手のソフトブレーンを子会社化(2017年6月末時点の議決権ベースの所有比率は50.23%)したほか、2017年8月にはEC事業進出を目的として対戦型ゲームのトレーディングカード売買を行うECサイト運営会社であるplube(出資比率100.0%)、2018年3月にはコールセンター拠点(24拠点)を利用して、光通信グループが有するブランド・商材におけるカスタマーサポートコンサルティングを行うレオコネクト(出資比率66.0%)をそれぞれ子会社化している。

なお、同社は機動的な経営を行うために2004年に持株会社体制に移行したほか、2016年6月期より会計基準を国際的なIFRSに切り替えて業績開示を行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



<NB>

情報提供元: FISCO
記事名:「 スカラ Research Memo(2):企業向けクラウドサービスがコア事業、M&A戦略によって事業規模を拡大中