スリー・ディー・マトリックス<7777>は29日、国立研究開発法人国立がん研究センターと共同で出願していた、骨肉腫の治療への応用に関する特許が日本国内で成立したと発表。

同特許は、体内に存在する核酸の一種であるマイクロRNAを阻害することにより、骨肉腫を治療する核酸医薬および、マイクロRNAにより骨肉腫の状態をモニタリングすることに関するものという。人や動物の体内には多くの種類のマイクロ RNA が存在するが、そのうちmiR-133aとよばれるものが、骨肉腫などの発生や悪性化に関わる「がん幹細胞」と関連しているということが、国立がん研究センターにより確認されている。

この発見をもとに、miR-133aの発現量を測定することで骨肉腫等の状態をモニタリングする方法と、 miR-133aを阻害して骨肉腫等の「がん幹細胞」の機能を抑えることで治療を促す核酸医薬が今回の特許取得の対象となる。
核酸医薬を用いた治療は、標的とする遺伝子の働きに特異的に作用すること、薬剤が化学合成可能であることなどの利点をもち、副作用の少ない新たながんの治療方法として世界で開発が進められている。

核酸医薬は、異常な遺伝子の働きに対し、それを抑制するように作用する新しい医薬品。
マイクロRNAは、生体内で合成されて存在する20~25塩基からなる微小なRNA。他の複数の遺伝子の発現を多様に調節することで様々な生命現象を制御する分子。人の体内には、2500種類以上のマイクロRNAが存在していると言われており、miR-xxとして番号付けがされている。


<MW>

情報提供元: FISCO
記事名:「 スリー・ディー・マトリックス---骨肉腫の治療に関する特許を国立がん研究センターと共同特許取得