a) スマートフォン向け液晶パネル 2016年3月期第4四半期頭に急激な生産調整に見舞われたが2017年3月期第2四半期から回復に転じ、第3、第4四半期と順調に回復してきている。2018年3月期に入っても順調に推移している。加えて、2017年3月期第4四半期には、中国の高級機種向けに高精細・高機能部材の販売が拡大し、同社の収益を押し上げた。中国の高級機種向けの部材の販売は2018年3月期も緩やかな増加が見込まれている。
b) 車載用液晶パネル 車載用液晶パネルはこれまではカーナビがその代表格であったが、中期的にはサイドミラーレス車の登場で、運転席周りを中心に、液晶パネル等の表示デバイスの搭載量・面積の拡大が期待される。車載向けの特長として視認性の確保のニーズが高い点がある。同社はスマートフォンで培った反射防止技術があり、それをてこに商機拡大を狙っている。また、車載用液晶パネルは使用環境がスマートフォンに比べてはるかに厳しい。そこに同社の知見と技術を生かして最適な表示用部材(成形品やガラス等)やバックライト用フィルムなどの販売を目指している。
c) 有機ELへの対応 2018年3月期にはスマートフォン用ディスプレイで有機ELの採用が本格化するとみられている。同社も有機EL用部材の提案を進めており、国内の有機ELメーカーに対して納品している状況だ。ただし、納入先の有機ELメーカー自体が現状は試作段階にあるため、具体的なビジネスとしての進展はない状況だ。