■注目すべき内容

1. IoTの産業用途への拡大
JIG-SAW<3914>がターゲットとしているIoTとは、まったく人が操作せず、モノ・デバイス・半導体がIoTを主導する立場(データ発生源)になり、マシン同士が絶え間なくデータのやり取りを行い、モノ・半導体に知識(A.I.)が組み込まれ自律的な動きが増加することを意味している。これまでインターネットというと、SNSのような人と人のつながりや人々の生活の利便性の向上のためのECや情報提供が注目されてきたが、産業用途への適用により、その効果は著しく大きくなるだろう。製造業及び半導体のインターネットの時代でつながる先は45兆個を超えるとも言われている。

同社のA.I.による全自動IoTデータコントロールは全産業領域が対象で、その技術は全産業のサービス・アプリケーションの中でも根幹を成す。モジュール(ソフトウェア)は「組み込み・つなぐ・支える」を繰り返しA.I.制御が可能。順調に成長中の既存事業に加え、キャリア通信モジュール等の契約や開発は順調に進捗しており(今後数百万個~1千万個単位の出荷見込み)、国内だけでもサービス対象は億単位の個数へ拡大していくと見られる。実際、引き合いも多く、幅広い領域のメーカーが原料調達から製造制御まで産業用途につなぎたいという意向を持っているそうだ。特に同社は制御を得意としており、インターネットとモノ(つまりソフトウェアとハードウェア)の両方が分かっているというポジションを活用して、IoTを後方から支援する中核企業になる戦略である。接続・提携・協業先は増加中であり、サービスの対象や課金モデルも多様化が進行している。モノの増加・データボリュームの増加により、自動課金が指数関数的に増加していくと同社は見ており、これが収益に大きく貢献する見通し。

IDC Japanによると、2020年の世界のIoT市場規模は365兆円で、同社はそのうち1%の獲得に向け多種多様な連携と基盤拡大を継続中である。

(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ジグソー Research Memo(3):産業用途を後方から支援する欠かすことのできない存在へ