「フィスコキャンパス銘柄紹介レポート」とは、フィスコ<3807>のアナリストと現役の女子大学生によって組織された「フィスコキャンパス」による毎月発行の共同レポートである。アナリストとディスカッションを重ね、キャンパス一期生となる7名が「フレッシュな感性」をもとに1人1銘柄選んだ、計7銘柄をまとめている。


※2016年12月号より抜粋


紹介銘柄:キッコーマン<2801>
キャンパス生:旅田 悠里


「海外事業をけん引役に今後も事業拡大が期待される」


■会社概要

1917年12月に野田醤油株式会社として設立以降、醤油を主とした調味料国内大手のメーカーです。積極的な海外展開で1957年米国に進出し、現在同社商品は世界100ヵ国以上で販売され世界でのブランド力も根付いてきました。キッコーマンしょうゆをはじめ、デルモンテトマト製品やマンズワインなどブランド製品が知られています。時代や文化に合った食文化を追求し成長を続ける中で、2008年から基本戦略として「グローバルビジョン2020」を掲げており、更なる海外事業の振興に注力していく姿勢が注目されています。


■業績動向

2017年3月期第2四半期(16年4-9月)決算において、連結売上高は前年同期比3.0%減の196,783百万円となりました。食料品における主力の「本つゆ」がリニューアルしたことによる価格体系変更や、酒類である本みりん、料理酒が業務用とギフト用で振るわなかったことが前年同期を下回った要因となったようです。一方で、海外事業では円高の影響を受けたものの、食料品の製造、販売、卸売事業で現地通貨ベースでの売上が前年同期を上回っています。また、営業利益は前年同期比0.0%増の16,944百万円で当第2四半期は減収増益の結果となっています。


■今後の注目点

営業利益の海外比率が7割を超え、海外事業の中でも調味料の製造、販売において利益率が19%強と海外に強い特徴を持っており、国内市場が縮小するなかで大きな武器となっています。日本食ブームの影響に乗じて今後も海外での事業拡大が期待できそうです。また、世界で健康志向が高まりを見せており、新たな主力商品の開発として豆乳事業を考えています。豆乳市場は30万kl(2015年度)と前年比8%増の成長を続けていることから、伸び悩みが予想される国内市場での有力な切り札となりそうです。成長余力の大きい食品株として、相対的に出遅れている株価の見直し余地も大きいと考えます。



※「フィスコキャンパス」とは、現役の女子大学生によって組織されている。難しいと思われがちな金融・経済の世界を、身近なものに感じていただけるよう、大学生の目線に置き換えて企業や株式市場の情報発信を行うことを目的としている。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ■フィスコキャンパス銘柄分析レポートVol(1) キッコーマン<2801>