以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家キムさん(ブログ「IPO初値予想ブログなら、キムさんのIPO投資日記」の著者)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2017年1月23日10時に執筆

森トラスト・ホテルリート投資法人<3478>が2月7日に上場します。
トラストグループ運用リートの上場は森トラスト総合リート投資法人<8961>に続き2つ目となります。
スポンサーは「森トラスト株式会社」と「森トラスト・ホテルズ&リゾーツ株式会社」です。保有する物件は「シャングリ・ラホテル 東京」(東京都千代田区)など4件で、取得価格合計1,020億円、不動産鑑定評価額合計1,096億円、平均鑑定NOI利回り4.3%となります。

平均築年数は9.9年となり、他のホテル系リートとの比較では新しい物件になります。保有物件の所在エリアは82.7%が都心6区となり、17.3%が大阪です。
さらに1物件当たりの平均取得額は255億円となっており、資産性の高さを裏付けるものとみられます(目論見書によるとホテル系J-REIT保有のホテルアセット全体における平均は39億円)。

今回の上場に際し公募による投資口の発行はせず、売出しのみ行います。
売出口数は301,000口、合わせてオーバーアロットメントによる売出しが15,000口です。公募が無く少し変わったリートIPOです。

上場承認時の想定発行価格は158,000円でしたが、仮条件では133,000円~143,000円と価格が引き下げられています。機関投資家によるヒアリング結果によるものだと思われます。主幹事は野村證券が務めることになっており、今回の上場による舵取りも気になります。
吸収金額は仮条件上限143,000円を基に算出すると約430億円、オーバーアロットメントを含めると約452億円です。


【2016年 直近リート上場結果】
投資法人みらい<3476>:公開価格183,000円→初値176,000円(騰落率-3.83%)
さくら総合リート投資法人<3473>:公開価格91,000円→初値79,000円(騰落率-13.19%)
大江戸温泉リート投資法人<3472>:公開価格93,000円→初値89,200円(騰落率-4.09%)


2016年に上場したリートを新しい順に3つ調べてみました。
データを見てもリートIPOが好まれていないことがわかります。
そう考えると、今回の仮条件が大幅に引き下げられたことも納得できます。
また、森トラスト・ホテルリート投資法人の分配金予定は2月末が3,074円、8月末が3,010円であることが独自調査でわかりました。
仮条件上限の143,000円で算出した場合、分配金利回りは約4.25%になります。

森トラストグループは40年以上にわたりホテル開発・運用を行い、信頼性高いブランド力を備えていますが、2016年のリートIPOデータを見る限り、初値が高く付くことは期待しにくいのかもしれません。結論として無理に参加することはないと思いますが、私はIPOブログを運営していますので、損益云々より当選にこだわり少し申込をしたいと考えています。

投資は自己判断でお願い致します。

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執筆者名:キムさん
ブログ名:IPO初値予想ブログなら、キムさんのIPO投資日記


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情報提供元: FISCO
記事名:「 【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家キムさん:森トラスト・ホテルリート投資法人<3478>IPOの簡単まとめ!