*08:39JST NYの視点:米労働市場悪化への警戒感は緩和 米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(8/3)は前週比1.7万件減の23.3万件と、予想24.0万件を下回った。米国7月雇用統計の弱い結果を背景とした労働市場の減速で消費が落ち込み景気が冷え込むとの懸念が後退した。ただ、失業保険継続受給者数(7/27)は187.5万人と、前回186.9万人から増加し、21年11月来で最高となった。7月は学校などの夏休み、ハリケーンなどの天候の影響から労働市場において年間で最も季節的調整が多くなる月。

バーキン米リッチモンド連銀総裁は連邦準備制度理事会(FRB)は米国が長期にわたり労働不足に向かっている可能性を指摘、大規模な雇用削減には程通いと、労働市場への悲観的見解を一蹴した。経済が正常化しているかどうかを見極める時間がまだ、あると主張。アトランタ連銀の7-9月期国内総生産(GDP)成長見通しは2.91%と、6日時点の2.896%から引き上げられた。民間投資の増加がけん引。実質民間国内投資の伸びが2.8%から2.9%へ伸びが拡大した。

一方で、景気後退懸念も根強い。JPモルガンのエコノミストは米経済が年内にリセッション(景気後退)に陥る確率を先月初めに想定した25%から35%に引き上げた。2025年7-12月(下期)までのリセッション入り確率は45%と見込んでいる。ゴールドマンサックスは年内の景気後退入り確率を25%と見ている。今後も雇用や経済指標に左右され、神経質な相場展開が予想される。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米労働市場悪化への警戒感は緩和