*15:53JST 買い優勢も米CPIの発表を控えて上値の重い展開に【クロージング】 14日の日経平均は小幅続伸。110.82円高の32695.93円(出来高概算14億2000万株)で取引を終えた。円相場が一時1ドル=151円90銭前後まで円安が進んだことから輸出関連株などに買いが先行して始まり、日経平均は前場終盤には32836.27円まで水準を切り上げた。ただ、心理的な節目の33000円を目前に戻り待ちの売りが散見されたほか、米国では10月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、積極的に上値を買い上がる動きは限られ、その後は32700円台でもみ合う展開となった。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり数が782、値下がり銘柄が821とほぼ拮抗した。セクター別では、鉱業、石油石炭、非鉄金属、銀行、輸送用機器な23業種が上昇。一方、サービス、倉庫運輸、不動産、医薬品など10業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ファーストリテ<9983>、レーザーテック<6920>、ホンダ<7267>が堅調だった半面、セコム<9735>、リクルートHD<6098>、ソフトバンクG<9984>、日産化<4021>が軟化した。

前日の米国市場は、米CPIの発表のほか、つなぎ予算の期限を週末に控えるなか、様子見姿勢が強く主要株価指数は高安まちまちだった。ただし、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測は和らいでおり、東京市場において、押し目待ち狙いの買い意欲は強かった。また、15日の米中首脳会談に合わせて、中国が米ボーイングの「737MAX」機の購入再開を検討していると伝わったことから、東レ<3402>、IHI<7013>などのボーイング関連株にも投資資金が向かい、日経平均の上げ幅一時250円を超えた。

注目を集める米CPIについては、総合指数が前年同月比3.3%上昇と9月の3.7%上昇から鈍化すると見込まれている。ただ、全米自動車労組(UAW)のストライキに伴う新車価格の上昇や医療保険料の算出方法の変更などの影響から、関係者からは「今回は市場予想を上振れるリスクも残る」との声もあり、CPIを受けた米国市場の動きを見極めたいと考える投資家も多い。また、今週末17日までの新たな「つなぎ予算案」が成立しないと政府機関の一部が閉鎖されるだけに、議会の行方にも関心が高いようだ。


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情報提供元: FISCO
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