*16:00JST 米株高を受けて買い先行も半導体関連株の弱い値動きが上値を抑える【クロージング】 3日の日経平均は続伸。146.67円高の28188.15円(出来高概算11億7000万株)で取引を終えた。前週末の米国市場は米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重要視する2月のコアPCEデフレーターの伸び率が市場予想よりも低下したことで利上げ停止観測が高まり、主要株価指数は続伸した。米株高を映して成長期待の高いグロース株中心に幅広い銘柄に買いが先行した。また、株価純資産倍率(PBR)1倍割れ銘柄への見直し買いが加わり、日経平均は取引開始後まもなくして28258.91円まで上昇した。ただし、日本政府による輸出規制発表による不透明感から半導体関連株が下落していることが響き、上値の重荷となった。その後は28200円前後と高値圏での推移ながら、こう着感の強い相場展開が続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1400を超え、全体の8割近くを占めた。セクター別では、海運、ゴム製品の2業種を除く31業種が上昇し、鉱業、石油石炭、その他金融、銀行の上昇が目立った。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>が大幅続伸し、1銘柄で日経平均を80円程度押し上げた。一方、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、信越化<4063>、ダイキン<6367>が軟調だった。

東証は3月31日、プライム市場とスタンダード市場の全上場企業を対象に、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を要請したことを受けて、低PBR銘柄の一角に思惑買いが入ったほか、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国を含めたOPECプラスが5月から追加減産を実施することを背景に原油市況が上昇したことで、石油資源関連株に投資資金が波及した。一方、政府が先週末発表した先端半導体製造装置の輸出規制が引き続き相場の重荷となったほか、日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の業況判断DIが市場予想を下回ったことも神経質にさせた。

日経平均は続伸したが、今週は5日に3月のADP全米雇用報告、7日には3月の雇用統計など雇用関連指標の発表が相次ぐ。また、4日にはクリーブランド連銀のメスター総裁が講演を行う予定だ。雇用関連指標が市場予想以上に底堅い結果となれば、利上げ休止への思惑が後退するほか、FRB高官による早期利下げに否定的な発言も出てくる可能性もあり、警戒が必要だろう。目先は米経済指標にらみの展開が続くことが想定される。

<CS>
情報提供元: FISCO
記事名:「 米株高を受けて買い先行も半導体関連株の弱い値動きが上値を抑える【クロージング】