25日の日経平均は続伸。95.82円高の27395.01円(出来高概算9億9000万株)で取引を終えた。米国市場は高安まちまちだったものの、米国の景気後退懸念の和らぎや中国のゼロコロナ政策撤廃による景況感の改善への思惑などから短期筋による先物買いが散発的に入った。日経平均は後場取引開始後には27473.90円まで上げ幅を広げ、心理的な節目である27500円目前に迫る場面もあった。しかし、国内主要企業の決算発表前に積極的に買い上がる雰囲気にもつながらず、買い一巡後は27400円前後と日中の高値圏でもみ合っていた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1100を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、卸売、銀行の2業種を除く31業種が上昇し、鉄鋼、海運、電気ガス、その他製品、繊維製品の上昇が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ダイキン<6367>、スズキ<7269>、大日印<7912>、テルモ<4543>がしっかりだった半面、日本電産<6594>、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、エムスリー<2413>が軟化した。

前日の米国市場は、この日発表された1月のS&Pグローバル製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回った一方、先行きの企業業績への警戒感から売り買いが交錯し、主要株価指数はまちまちで、手掛かり材料には欠けた。一方、前日に日経平均が心理的な節目の27000円を突破したことから、目先の利益を確保する売りが先行して始まった。

また、前日の通期業績予想の下方修正を発表した日本電産が大幅に反落したことも地合い悪化につながった面もあった。半面、日経平均は連日上昇してきただけに買い遅れている向きも多く、押し目を拾う動きが出たほか、午後に入ると、円相場が1ドル=130円台半ばへ円安方向に振れたことが支援要因となり、自動車や機械といった輸出関連株が堅調に推移したこともプラス材料として受け止められたようだ。

日経平均は日中高値圏でのもみ合いとなったが、このところ堅調だった半導体関連株の上昇が一服した一方、前日に値を消した鉄鋼や海運が堅調になるなど、セクターローテーションが効いており、投資家心理は悪くないと言えよう。しかし、国内主要企業の決算が本格化している状況下、企業業績の推移を確認したいと考える向きも多い。加えて、日本電産が通期業績予想を引き下げただけに、他のハイテク関連企業も同様に厳しい決算になる可能性も捨てきれない。決算発表を無事に消化するまでは大きな相場上昇にはつながらないだろう。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 短期筋による先物買いなどで一時節目の27500円目前に【クロージング】