15日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定を消化する展開で、引き締め長期化を見込んだドル買いが根強い見通し。また、欧州通貨への調整売りが強まれば、ドルを支える要因となろう。

米連邦準備制度理事会(FRB)は13-14日に開催したFOMCで利上げ幅を0.50%に縮小したが、金利見通しを示すドットチャートの中央値を上方修正。ただ、米10年債利回りの上昇は抑えられたためドル買いは進まず、ユーロ・ドルは1.07ドルに接近し、ドル・円は134円80銭付近まで値を下げた。本日アジア市場は米長期金利の小幅回復によりドルがやや買い戻される展開で、ドル・円は135円半ばを中心に底堅く推移した。

この後の海外市場は主要中銀による金融政策が焦点。本日は欧州中銀(ECB)理事会と英中銀金融政策委員会(MPC)の追加利上げが予想されるものの、ユーロ圏と英国の減速懸念につながりやすい。欧州通貨はドル売りに押し上げられてきたため、両中銀の政策決定を受け調整の売りが強まればドルを押し上げる見通し。一方、今晩の米経済指標は強弱まちまちとみられ、FRBのタカ派姿勢を後押しし金利高に振れれば、ドルは下げづらい。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 スイス中銀が政策金利発表(0.50ポイント引き上げ予想)
・21:00 英中銀が政策金利発表(0.50ポイント引き上げ予想)
・22:15 欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表(0.50ポイント引き上げ予想)
・22:30 米・11月小売売上高(前月比予想:-0.2%、10月:+1.3%)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:23.2万件、前回:23.0万件)
・22:30 米・12月NY連銀製造業景気指数(予想:-1.0、11月:+4.5)
・22:30 米・12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:-10.0、11月:-19.4)
・22:45 ラガルドECB総裁会見
・23:15 米・11月鉱工業生産(前月比予想:0.0%、10月:-0.1%)
・23:15 米・11月設備稼働率(予想:79.8%、10月:79.9%)
・24:00 米・10月企業在庫(前月比予想:+0.4%、9月:+0.4%)
・06:00 米・10月対米証券投資収支(ネット長期有価証券)(9月:+1180億ドル)
・EU首脳会議


<FA>
情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、欧州通貨売りならドルをサポート