9日の日経平均は続伸。149.47円高の28214.75円(出来高概算12億2000万株)で取引を終えた。前日の米国市場が上昇した流れを受け、日経平均は取引開始直後に28286.02円まで上げ幅を広げた。ただし、来週13日には8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、積極的に買い上がる雰囲気にはつながらず、買い一巡後は伸び悩む場面もあった、ただし、時間外取引での米国株先物が堅調なため、上値のめどと意識される25日線突破を試みた買いが続き、28200円台と日中の高値圏で推移した。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1200を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、海運、電気ガス、不動産、鉱業、サービス、非鉄金属など26業種が上昇。一方、空運、ゴム製品、精密機器、陸運など7業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、エムスリー<2413>、KDDI<9433>、京セラ<6971>、塩野義<4507>がしっかりだった半面、ダイキン<6367>、ソニーG<6758>、デンソー<6902>が小甘い動きだった。

前日の米国市場は、このところの下落の反動に加え、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演で、これまで同様にインフレ抑制を優先するスタンスを示したが、FRBの金融引き締め策の継続をようやく織り込み、主要3株価指数は続伸した。これを受け、東京市場はハイテク関連株など中心に買い先行で始まった。また、メジャーSQに絡んだ買いも加わったことも支援材料となり、日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。一方、前日に日経平均が大幅に上昇した反動に加え、週末のポジション調整の売りも出たようで、買い一巡後はこう着感を強めたものの、終日高値圏での推移となった。

欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げ、パウエルFRB議長の前日の講演を受けた0.75%の大幅利上げの織り込みが進んだため、欧米中銀の金融政策への懸念が一旦は和らいだことが本日の上昇の背景とみられる。ただし、米国の政策金利がどこまで引き上がるのかは依然として不透明で、20日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした利上げに関する最後の経済指標となる米CPIの結果を確認したいとみている投資家は多い。


<FA>
情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は続伸で25日線水準を捉える【クロージング】