5月31日のドル・円は、東京市場では127円53銭から128円34銭まで反発。欧米市場では127円67銭から128円89銭まで上昇し、128円70銭で取引終了。本日6月1日のドル・円は主に128円台で推移か。欧米諸国におけるインフレ高進を警戒してリスク回避的な円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。

報道によると、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は、独シュピーゲル誌との会見で、「欧州と米国でホリデーシーズンが始まると燃料需要が高まり、不足が生じる可能性がある」、「現在のエネルギー危機は1970年代のオイルショックよりもはるかに深刻で、より長期にわたって続く可能性がある」と見方を伝えた。米国主導の対ロシア経済制裁に欧州諸国が同調していることがエネルギー不足の要因であることは否めない。

なお、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成するOPECプラスは、今週開催の会合で原油生産計画を従来通りで維持する可能性が高いとみられている。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は先月、「原油価格を押し上げているのは原油不足ではない」と指摘しており、OPECプラスによるすみやかな原油増産を期待することは難しいとみられる。

<FA>
情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:欧米諸国のインフレ懸念で円買い拡大の可能性低い