4日の日経平均は4営業日ぶりに反発。70.49円高の27736.47円(出来高概算10億株)で取引を終えた。注目された米雇用統計は、米景気の改善が示されたが、関係者からは「想定の範囲内の結果で新味がない」との見方が多く、東京市場の手掛かり材料にはならなかった。新年度入りに伴う国内機関投資家などによる新規資金流入期待から、株価水準が下がったところでは押し目を拾う動きも出たほか、先週末の下げの反動から海運株などが上伸した。ただし、全体としては新たな取引材料に乏しいなか、売り買いが交錯し、前週末の終値を挟んでもみ合いが続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1200を超え、全体の7割近くを占めた。セクターでは、海運、鉱業、精密機器、医薬品、情報通信など25業種が上昇。一方、空運、その他金融、陸運、保険、鉄鋼など8業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、エムスリー<2413>、オリンパス<7733>、アステラス薬<4503>、KDDI<9433>が堅調だった半面、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、オリックス<8591>、スクリン<7735>が軟調だった。

日中は中国・上海でロックダウンが続くなど、新型コロナウイルスの感染が拡大しているため、サプライチェーンの混乱に対する懸念が広がったとの指摘が多く、半導体や電子部品関連など値がさハイテク株に値を消す銘柄が目立っていた。一方、ただ、市場では「きょうは典型的な月曜ボケの状況だった」とされ、東証プライムの出来高、売買代金とも低調だった。

東証はきょうからプライム、スタンダード、グロースの新たな3市場に再編し、スタートした。新市場区分に移行した、システム障害など大きな混乱はなく始まった。上場企業の質の低下などを理由に海外投資家の低評価につながっていたが、市場再編をきっかけに海外勢の評価が高まることに期待したいところ。一方で、ウクライナ情勢の悪化、それに伴う資源価格の上昇などを背景に今後、本格化する日本の主要企業の業績に対する不安感は拭えておらず、資金流入は限られるといった見方が分かれているようだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 東証新区分スタート、初日は狭いレンジ内での動きに【クロージング】