11日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米インフレ高進が鮮明になり、今後の金融引き締め加速を見込んだドル買いが先行。また、ロシアによるウクライナへの攻撃が激化する見通しで、有事のドル買いも継続しそうだ。

欧州中銀(ECB)は前日の理事会で改めて緩和政策からの転換を示したが、引き締めに慎重な意見も根強い。一方、米消費者物価指数(CPI)は前年比+7.9%、コア指数が同6.4%とそれぞれ前月を上回り、ドル買い優勢の展開に。ユーロ・ドルは反落して1.10ドルを割り込み、ドル・円は116円台に定着。本日アジア市場はリスクオフのムードだが、ドル買いが続き、対円では年初来高値を上抜け2017年1月以来の高値圏に浮上している。

この後の海外市場もドル選好地合いが続きそうだ。来週開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅は0.25%にとどまるものの、その後は0.50%への拡大が期待され、金利先高観からドル買い地合いの見通し。他方、ロシアによるウクライナの首都キエフへの攻撃開始の思惑からリスクオフのムードが広がり、欧米株安なら円買いが先行しそうだ。同時に、ドルには有事の買いが入りやすく、対円では117円台を目指す展開が予想される。

【今日の欧米市場の予定】
・22:30 カナダ・2月失業率(予想:6.2%、1月:6.5%)
・24:00 米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:61.0、2月:62.8)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米引き締め観測やウクライナ混迷でドル選好