8日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:グロースからバリューへの意識を強めてくる可能性も
■NTT、上方修正 営業利益1兆7450億円←1兆7300億円、コンセンサスに近づく
■前場の注目材料:日本製紙、100億円投じ豪に新工場、段ボール一貫生産


■グロースからバリューへの意識を強めてくる可能性も

8日の日本株市場は、やや売り先行となりそうだが、引き続き底堅い相場展開が見込まれる。7日の米国市場はNYダウが1ドル高だった。金利の上昇やウクライナ情勢を警戒し売り先行の展開。その後中国のPMIサービス業が予想を上回るなど、連休明けの同国市場が堅調で世界経済への回復期待も根強く、NYダウは上昇に転じたが、ハイテクの売りが上値を抑制した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円安の27200円。円相場は1ドル115円00銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売りが先行することになりそうだ。米国では大型テック株の一角が売られていることもあり、指数インパクトの大きい値がさ株などへの重荷となる可能性がありそうだ。ただし、先物市場ではシカゴ先物の安値は27070円であり、引き続き27000円接近では下値の堅さが意識されているとみられる。積極的なリバウンド狙いの動きは期待しづらいところではあるが、27000円に接近する局面では押し目狙いのスタンスとなろう。

また、NT倍率(現物)は昨日14.13倍まで低下し、昨年10月6日の14.15倍を下回ってきた。支持線レベルを割り込んだほか、米ハイテク株の弱い動きの流れからはNT倍率の低下を想定したトレードに向かいやすいところである。そのため、TOPIX型が買われやすいと考えられ、グロースからバリューへの意識を強めてくる可能性はありそうだ。

そのほかは、決算を手掛かりとした個別対応になるだろう。昨日はオリンパス<7733>が決算内容を嫌気して大幅な下落となった。イレギュラー的な動きとも見られるものの、先回り的な動きがなかった分、決算をきっかけに大きく明暗を分ける動きが目立っており、寄り付き後に強いトレンドを見せている銘柄などへは、短期筋の値幅取り狙いの資金が集中しやすいだろう。また、材料系では地政学リスクがくすぶっている状況であることから、防衛関連などへは断続的な物色が続きそうである。


■NTT、上方修正 営業利益1兆7450億円←1兆7300億円、コンセンサスに近づく

NTT<9432>は2022年3月期業績予想の修正を発表。営業利益は1兆7300億円から1兆7450億円に上方修正した。コンセンサス(1兆7560億円)に近づく修正となった。データ通信事業などを中心に業績が好調に推移していることを反映した。あわせて年間配当については110円から115円に増額修正した。


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(35091.13、+1.39)
・VIX指数は低下(22.86、-0.36)
・米長期金利は低下
・米国景気の拡大
・海外のコロナ感染沈静化
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・日本製紙<3863.T>100億円投じ豪に新工場、段ボール一貫生産
・富士電機<6504.T>太陽光用パワコンでJET認証取得、連系協議を大幅短縮
・東芝<6502.T>空調子会社を売却、米キヤリアに1000億円で
・塩野義<4507.T>コロナ経口薬、来週か再来週にも承認申請
・河西工業<7256.T>内装品開発を米で完結、日本から機能移管
・ACSL<6232.T>5kg積み40km飛行可能な物流ドローン、年内投入
・井関農機<6310.T>スマート農機開発加速、25年めど発明提案の先端技術6割
・大日住薬<4506.T>再生・細胞医療で新施設、受託製造を拡大
・カネカ<4118.T>生分解性ポリマーの生産能力4倍、新プラント24年稼働


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:30 12月毎月勤労統計・現金給与総額(前年比予想:+0.9%、11月:+0.8%)
・08:30 12月家計支出(前年比予想:0.0%、11月:-1.3%)
・08:50 12月経常収支(予想:+1064億円、11月:+8973億円)

<海外>
・特になし <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~グロースからバリューへの意識を強めてくる可能性も~