14日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:売り一巡後の底堅さを見極める動きに
■7&iHD、22/2上方修正 営業利益4000億円←3800億円、海外コンビニ好調
■前場の注目材料:エアウォーター、エレ向け増産に500億円投資、半導体ガス供給装置など


■売り一巡後の底堅さを見極める動きに

14日の日本株市場は、売り一巡後の底堅さを見極める動きになりそうだ。13日の米国市場ではNYダウが176ドル安だった。連邦準備制度理事会(FRB)の数人の高官が年内数回の利上げを支持する発言をしたため早期金融引き締めへの警戒感は強く、ハイテク株への売りに繋がった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比275円安の28275円。円相場は1ドル114円10銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。米長期金利は落ち着いた動きを見せたものの、株買いには繋がらなかったことから、週末要因もあって手掛けづらくさせそうだ。また、予想を上回る決算を発表した台湾セミコン(TSMC)は米国で5%超の上昇とはなったものの、エヌビディアやAMDといった他の半導体株への反応は見られず、東京市場においても、東エレク<8035>などへの波及効果は期待しづらいところだろう。

一方で、良好な第1四半期決算を発表したファーストリテ<9983>はADR市場で強い値動きを見せていたこともあり、日経平均の下支えとなる可能性はある。ただし、昨夕の私設取引で大きく上昇していたこともあり、先回り的な動きから反応が限られるようだとセンチメントを冷ます格好にも繋がるため、注意する必要はありそうだ。

まずは売り一巡後の東エレクなどの底堅さを見極めたいところ。ハイテク株の弱い動きが続くようだとグロース売りへの流れが一段と強まる可能性はあるだろう。そうなると、不安定な値動きを続けている時価総額上位の中小型株などへの戻り売り圧力なども強まる状況になりやすい。そのため、個別に材料のある銘柄のほか、新型コロナウイルスの新規感染者数が急増するなか、コロナ関連への見直しの動き。また、低位材料株などには短期的な値幅取り狙いの資金が向かいやすいだろう。


■7&iHD、22/2上方修正 営業利益4000億円←3800億円、海外コンビニ好調

7&iHD<3382>は2022年2月期業績予想の修正を発表。営業利益を3800億円から4000億円に上方修正した。海外コンビニ事業で大幅な増収増益を見込む。第3四半期業績については、新型コロナウイルスの感染が再拡大するなかで、北米は政策などを支えに個人消費が堅調で、海外コンビニ事業がけん引した。国内コンビニ事業は営業収益が前年同期を上回ったものの、販売管理費が増加した。


■前場の注目材料

・米長期金利は低下
・米国景気の拡大
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・エアウォーター<4088>エレ向け増産に500億円投資、半導体ガス供給装置など
・キヤノン<7751>国内生産回帰、事務機の供給網を安定化
・日立<6501>日立「建機株」半分売却、伊藤忠などに2000億円
・三菱電機<6503>初のCVC設立、グローバル・ブレインと共同
・太陽誘電<6976>フィリピン生産拠点再開
・ローム<6963>LED・センサーの天津工場停止、再稼働未定
・丸紅<8002>商業運転を開始、インドネシア地熱発電
・トヨタ<7203>2年連続世界首位、昨年販売
・SMK<6798>ウエアラブル端末ターミナル、基板占有面積6割減
・東芝<6502>二次電池新製品、入出力性能向上
・日本製紙<3863>コンクリ混和材拡販、石炭灰由来、耐久性50%向上
・AGC<5201>工業炉燃料にアンモニア、AGC・大陽日酸などガラス溶解で実証
・信越化<4063>ウエアラブルデバイス、機能・装着性を向上、新材料開発


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 12月国内企業物価指数(前年比予想:+8.8%、11月:+9.0%)

<海外>
・時間未定 中・12月輸出(前年比予想:+20.0%、11月:+22.0%)
・時間未定 中・12月輸入(前年比予想:+27.8%、11月:+31.7%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~売り一巡後の底堅さを見極める動きに~