18日の日経平均は3営業日ぶりに小幅反落。43.17円安の29025.46円(出来高概算10億8000万株)で取引を終えた。前週末の米国株高を映して買い先行で始まったものの、先週のリバウンドによる過熱感なども意識されやすく、当面の利益を確保する動きにより、一時28924.40円まで水準を切り下げた。また、足下で原油高などが進んでいるが、「原材料コストの上昇に伴う企業収益の圧迫に対する懸念も残る」との指摘も聞かれ、内需関連株中心に値を下げたことも投資マインドを冷やした。ただし、コロナ渦後の経済活動の正常化に対する期待から押し目を拾う動きもあり、29000円を挟んでの底堅さは見られている。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1100を超え、全体の過半数超を占めた。セクター別では、鉱業が5%近く上昇したほか、石油石炭、非鉄金属、鉄鋼、輸送用機器など15業種が上昇。一方、医薬品、水産農林、食料品、サービスなど18業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、デンソー<6902>、トヨタ<7203>、コナミHD<9766>が堅調だった半面、エムスリー<2413>、KDDI<9433>、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>、リクルートHD<6098>が軟化した。

日経平均は前週末にかけての2日間で900円超上昇し、29000円台を回復したことから、急ピッチの上昇に対する警戒感から、次第に利食い売りが膨らんだ。また、原油市況が一時1バレル=83ドル台に乗せるなど、商品市況の上昇基調が続いており、関係者からは「原材料高による交易条件の悪化が半年後に悪影響が出る可能性がある」との指摘も聞かれたことも重荷に。一方、資源関連のほか、円安が進んでいることで、自動車など輸出関連株の一角が堅調に推移していることが相場を支えていた

日経平均は前週末に戻りの節目として意識された200日線水準を上抜けたため、次の節目として注目されているのが、9月30日以来下回って推移している25日線(29270円)水準だ。この水準を早期に上回ることができなければ、9月27日から10月6日までの下げ幅の3分の2戻し水準である29340円、あるいは全値戻し水準の30240円が遠のくことも想定されるだけに、25日線水準の早期奪回が今後のポイントになりそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 利食い売りが先行するものの、29000円を挟んでの底堅い値動き【クロージング】