14日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:改めて政策期待が高まる相場展開が意識されやすい
■ABCマート、22/2上方修正 経常利益312億円←311億円
■前場の注目材料:東芝、波長4マイクロメートルの面発光半導体レーザー


■改めて政策期待が高まる相場展開が意識されやすい

14日の日本株市場は、こう着ながらも底堅い相場展開が見込まれる。13日の米国市場はNYダウが0.53ドル安だった。9月の米CPIが予想を上回りインフレ懸念が高まったほか、金利先高感に加えて、年末商戦に向けたサプライチェーン混乱が浮き彫りとなり企業の業績に影響するとの懸念に下げ幅を拡大した。その後、長期金利の低下を受けたハイテク株の上昇が下支えとなり、引けにかけてダウは下げ幅を縮小した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比55円高の28195円。円相場は1ドル113円20銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行で始まろう。警戒されていた米CPIは予想を上回ったものの、長期金利は低下したことからNYダウは持ち直している。FOMC議事要旨についても予想の範囲内との見方から市場の反応は限られていた。ハイテク株の一角が買われている流れを受けて、指数インパクトの大きい値がさ株などが日経平均をけん引しそうである。

もっとも、JPモルガン・チェースは良好な決算だったものの、2%を超える下落となった。国内においても決算後の市場反応はまちまちであり、決算内容を見極めたいとする模様眺めムードが次第に強まってくる可能性はありそうだ。そのため商いは膨らみづらく、値動きの強い銘柄などに短期資金が集中しやすい需給状況は続きそうである。ただし、米国市場で警戒されていたCPIの発表やFOMC議事録の公表を波乱なく通過したこともあり、買いを手控えていた向きにとっては押し目買いを入れやすいところか。

日経225先物は28000円水準での底堅さが意識されており、心理的な上値抵抗となる75日線水準での煮詰まり感が台頭。日経平均も5日線を支持線に75日線との攻防を見せている。決算に対する不透明感から積極的な上値追いの動きは限られるものの、本日の衆院解散によって、改めて政策期待が高まる可能性も意識されやすく、押し目買い意欲の強さから、75日線突破を試す動きも期待されてきそうだ。また、指数はこう着ながらも政策期待が高まるなかにおいては、政策テーマに関連する材料株などへは個人主体の資金が向かいやすいだろう。


■ABCマート、22/2上方修正 経常利益312億円←311億円

ABCマート<2670>は2022年2月期業績予想の修正を発表。経常利益を311億円から312億円に上方修正した。上半期の販管費の抑制が下半期においても継続できるものと考えている。なお、消費環境やマインドが改善されていくものと考えているものの、年末年始商戦を迎えるにあたり、感染再拡大の懸念があるとして、個別の売上高を15億円減少の1761億円に修正。


■前場の注目材料

・ナスダック総合指数は上昇(14571.64、+105.71)
・シカゴ日経先物は上昇(28195、大阪比+55)
・SOX指数は上昇(3192.75、+14.61)
・VIX指数は低下(18.64、-1.21)
・米長期金利は低下
・大型経済対策への期待
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・東芝<6502>波長4マイクロメートルの面発光半導体レーザー
・日鍛バルブ<6493>低硫黄燃料対応の中空構造品、舶用エンジン効率冷却
・ホンダ<7267>中国にEV2工場、専用ブランド生産
・デンカ<4061>高機能球状フィラー増産、大牟田を増強
・クボタ<6326>ハウス栽培スマート化、大阪・岸和田市と連携
・日立<6501>日本みらいキャピタルに産業用CTなど売却
・ダイキン<6367>京セラと「パフォーマンス向上起床」開発、快適な目覚め提供
・ホンダ<7267>新型ジェット構想、米大陸無給油で横断
・三菱電<6503>冷蔵庫生産一時停止、コロナ禍で部品供給遅れ
・ホンダ<7267>中国で電動化加速、EV専売店展開
・ホンダ<7267>「センシング」全方位に拡大、来年発売モデルから
・クボタ<6326>北海道に農業学習施設、ファイターズ新球場近く
・富士通<6702>トレンドマイクロと「つながる車」セキュリティーで協業
・三菱電機<6503>知財公開で社外連携加速
・SOMPO<8630>介護職に2年20億円、人材確保・育成
・サンバイオ<4592>再生細胞で脳損傷治療、市販にらみ体制構築


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:30 野口日銀審議委員あいさつ

<海外>
・09:00 ボウマン米FRB理事討論会参加
・09:30 豪・9月失業率(予想:4.8%、8月:4.5%)
・09:30 豪・9月雇用者数増減(予想:-11.00万人、8月:-14.63万人)
・10:30 中・9月消費者物価指数(前年比予想:+0.8%、8月:+0.8%)
・10:30 中・9月生産者物価指数(前年比予想:+10.5%、8月:+9.5%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~改めて政策期待が高まる相場展開が意識されやすい~