5日の日経平均は反発。144.04円高の27728.12円(出来高概算9億5000万株)で取引を終えた。好決算銘柄を中心に買いが優勢となったものの、新型コロナウイルスの新規感染者の増加傾向、コロナ対策の「まん延防止等重点措置」の対象地域の拡大などが、売買を手控えさせていた。国内景気の正常化が遅れるとの警戒感などから、積極的に上値を買い上がる雰囲気にもなく、後場の日経平均は50円程度の狭い値幅での推移となった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数は1200を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、海運が9.50%と大きく上昇したほか、鉄鋼、精密機器、その他製品など18業種が上昇。一方、パルプ紙、建設、空運、鉱業など15業種が下落している。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、テルモ<4543>、キッコーマン<2801>、ダイキン<6367>、アドバンテス<6857>が堅調。一方、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、リコー<7752>、KDDI<9433>、第一三共<4568>が軟調だった。

米雇用関連指標が市場予想に届かなかったことから、米景気の減速懸念が警戒され、朝方は売りが先行してスタート。ただ、好業績銘柄を中心に見直し買いが入ったほか、ハイテク関連株が堅調だったため、この動きが波及する格好から東エレクやソニーGといった指数寄与度の高い値がさ株にも値を上げる物が増えた。一方、前日に引き続きトヨタ<7203>が軟調に推移したほか、通期業績予想を据え置いたいすゞ<7202>、第1四半期業績がアナリスト予想に届かなかったリコーなどが下落した。

東京市場は好業績銘柄を中心に買われ日経平均は反発したが、依然として200日線水準には届いておらず、買い戻しの域を抜け出ていない。また、米国市場では雇用の回復テンポのスローダウンが意識されているだけに、6日に発表の米雇用統計の内容には一段と注目が集まりそうだ。加えて、国内でもコロナ対策により7-9月期の経済活動の制限が業績の下押し要因になりかねないだけに、買いの勢いが鈍ると戻り待ちの売りも散見されており、目先は狭い値幅でのもみ合い展開が続きそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 好決算銘柄の一角に資金が集中し、全体としてはこう着相場に【クロージング】