21日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:先物主導で振らされる以外は、トレンドを取りに行く市場参加者は限られる
■NOK、22/3上方修正 営業利益330億円←225億円
■前場の注目材料:ニッパツ、EVモーターコア増産、5年で200億円投資


■先物主導で振らされる以外は、トレンドを取りに行く市場参加者は限られる

21日の日本株市場は、買い先行で始まった後は、次第にこう着感が強まりそうである。20日の米国市場ではNYダウが549ドル高と大幅に反発。新型コロナ再流行への懸念を受けた売りが行き過ぎとの見方も浮上し、押し目買いが強まり終日堅調に推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比320円高の27730円。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から買い先行で始まることになり、米国同様、前日の下落分を埋めてくる展開が意識されよう。米国ではこれまでの急落後は短期的に戻す動きが見られていたこともあり、押し目狙いの好機ととった格好のようである。また、IBMの決算が予想を上回るなど企業の好決算を材料視する動きも見られていた。

日経平均は昨日の下落で直近安値を割り込み、5月安値水準までの調整を見せている。ダブルボトム形成が意識されることから、リバウンドのタイミングとしても米国市場の大幅反発は追い風であろう。ただし、直近のチャート形状を見ても十字足を形成するなど、ギャップスタート後はこう着感の強い相場展開である。短期的な売買による振れはあるものの、手掛けづらさが意識されているため、先物主導で振らされる以外は、トレンドを取りに行く市場参加者は限られるだろう。

日経平均はトレンドが悪化しており、目先的には5日線が位置する28000円辺りまでのリバウンドを見せたとしても基調は変わらず。自律反発の域は脱せないと考えられ、決算を手掛かりとした個別対応になろう。米国では景気敏感株を中心に買い直された格好であり、ややTOPIX型優位の展開になりそうだが、決算シーズンのなか、連休明け後には決算ピークとなることもあり、業績に安心感のあるハイテクセクターなどへの押し目狙いのスタンスといったところか。


■NOK、22/3上方修正 営業利益330億円←225億円

NOK<7240>は2022年3月期業績予想の修正を発表。売上高は6240億円から6600憶円、営業利益は225億円から330億円に上方修正した。コンセンサス(255億円程度)を上回る修正。シール事業においては自動車向け、一般産業機械向け共に国内外で想定を上回る受注が見込まれ、販売は好調に推移する見通し。電子部品事業についても自動車向け、高機能スマートフォン向けの販売が順調に推移する。


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(34511.99、+549.95)
・ナスダック総合指数は上昇(14498.88、+223.89)
・シカゴ日経先物は上昇(27730、大阪比+320)
・1ドル109円80-90銭
・SOX指数は上昇(3190.95、+43.44)
・VIX指数は低下(19.73、-2.77)
・米原油先物は上昇(67.20、+0.85)
・海外コロナワクチン接種の進展
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・ニッパツ<5991>EVモーターコア増産、5年で200億円投資
・トヨタ紡織<3116>車用シート骨組み溶接工程の一部自動化、コスト4割減
・ENEOS<5020>三菱ケミと茨城に廃プラ油化設備、国内最大 年2万トン
・丸紅<8002>資源機構、日豪でアンモニア供給網、丸紅などと事業化調査
・豊田通商<8015>米社に出資、再生可能天然ガス活用、水素製造・供給
・デンソー<6902>「空飛ぶクルマ」の部品開発加速、軽量化で前進
・スズキ<7269>インドに低価格EV、25年めど投入
・ニコン<7731>シャープと生物模倣技術開発、加工技術・製品搭載狙う
・富士通ゼネラル<6755>インドで攻勢、家庭用エアコン100店体制
・シャープ<6753>タイに売電事業会社


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 6月貿易収支(予想:+4600億円、5月:-1894億円)
・08:50 日銀金融政策決定会合議事要旨(6月17-18日開催分)

<海外>
・10:30 豪・6月小売売上高速報値(前月比予想:-0.7%、5月:+0.4%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~先物主導で振らされる以外は、トレンドを取りに行く市場参加者は限られる~