11日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。重要イベント通過に伴う短期的なリスク要因の後退で、やや円売りに振れやすい地合いとなる見通し。ただ、ドルは110円回復の期待が後退し、上値の重さが意識されそうだ。

前日はラガルド欧州中銀(ECB)総裁のタカ派的な発言と米消費者物価指数(CPI)の予想外に強い内容を手がかりに、ユーロ買いとドル買いが交錯する場面もあった。ただ、その後はECBの慎重姿勢や米長期金利の低下で、ユーロとドルはともに失速し、方向感の乏しい展開に。本日アジア市場は具体的な材料が乏しく、全般的に小動き。米インフレ指標は高水準となったが、一時的な現象との見方から米10年債利回りは低下し、ドル売り方向に振れている。

この後の海外市場でもイベント通過で動意の薄い値動きとなりそうだ。市場では来週開催の連邦公開市場委員会(FOMC)が注目される。前回に続き資産買入れの段階的縮小(テーパリング)について議論される可能性はあるが、実施にはほど遠いとの観測から目先も長期金利の上昇は抑制されよう。今晩はリスク回避のムードは後退し、やや円売り基調に振れやすい見通し。ただ、ドルの110円台回復に懐疑的な見方が広がりつつあり、上値の重さを嫌気した売りも警戒される。

【今日の欧米市場の予定】
・23:00 米・6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:84.2、5月:82.9)
・G7サミット(英コーンウォール、13日まで)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、短期的なリスク後退も上値の重さを意識