1日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:月初は上昇する傾向から押し目買い意欲は強そう
■菱洋エレク、1Q営業利益 10.6%減 4.57億円、進捗率22.8%
■前場の注目材料:キリンHD、ビール苦味、ウマく制御、成分13種特定


■月初は上昇する傾向から押し目買い意欲は強そう

1日の日本株市場は、こう着ながらも底堅い相場展開が見込まれる。5月31日の米国市場はメモリアルデーの祝日で休場だったこともあり、本日も海外勢のフローは限られるため、方向感が掴みづらいだろう。ただし、昨日の下落に対してはこれまでリバランスと見られる動きから月末は下落していたこともあり、想定内といったところであろう。日経平均は一気に29000円を回復し、75日線水準まで上昇してきたこともあり、目先的な達成感も意識されやすい水準だった。その為、改めて押し目を拾う動き等も意識されやすいだろう。

日経平均は75日線に上値を抑えられる一方で、上昇する5日線を支持線としたリバウンド基調は継続。日経225先物はナイトセッションで弱い値動きとなり、清算値は大阪比40円安の28930円だった。ただし、5日線を支持線とした底堅さが見られており、引き続き支持線として意識されやすいだろう。また、昨日の下落については結果的に、月末は下落といったアノマリーが続いた形であり、センチメントを悪化させることはなさそうである。一方で、月初は上昇する傾向を見せていることもあり、押し目買い意欲は強そうだ。

また、新型コロナ影響から緊急事態宣言が延長されたが、大規模接種会場でのワクチン接種は加速してきている。また、経産省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、先端半導体製造技術の開発助成事業で、TSMCを実施者に選定したと伝えられている。半導体関連への手掛かり材料になる可能性もあるため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均の下支えとなることも考えられよう。

物色の流れとしてはハイテク株の底堅さが見込まれるものの、海外勢のフローは限られることから、個人主体の中小型株などが物色の中心になりやすい面はありそうだ。昨日のマザーズ指数は小幅に上昇しており、5日、25日線水準で煮詰まり感が台頭。5日、25日線との短期ゴールデンクロスが意識されてきていることもあり、現在のリバウンド基調を強めてくる可能性が高まりそうだ。


■菱洋エレク、1Q営業利益 10.6%減 4.57億円、進捗率22.8%

菱洋エレク<8068>は2022年1月期第1四半期決算を発表。売上高は前年同期比5.8%増の264.59億円、営業利益は同10.6%減の4.57億円だった。通期計画に対する営業利益の進捗率は22.8%となる。半導体/デバイスはデジタル家電向け半導体が増加する一方で、ICT/ソリューションはパソコン用ソフトウェアが減少。


■前場の注目材料

・北海ブレント原油先物は上昇(69.32、+0.60)
・海外コロナワクチン接種の進展
・世界的金融緩和の長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・キリンHD<2503>ビール苦味、ウマく制御、成分13種特定
・トヨタ<7203>量子技術で産業創出、NTTなど11社参画、発起人会開く
・ルネサス<6723>完全復旧が今月にずれ込み、製造装置の調達難航
・千代化建<6366>シオノギファーマと医薬関連の共同出資会社を検討
・東京電力HD<9501>投資子会社を設立、稼ぐ力強化
・スズキ<7269>6月の国内4輪生産大幅減、半導体不足響く
・ブリヂストン<5108>米空気バネ工場増強、22年末めど
・日産自<7201>メキシコ3工場を一時休止
・サイバーダイン<7779>「HAL」海外倍増、今年度売上高6億円
・山洋電気<6516>2相ステッピングモーター、トルク性能40%向上
・大日住薬<4506>子宮筋腫薬が米で承認、月内発売
・テルモ<4543>麻酔解除薬、素早く投与、充填済み注射器
・オリンパス<7733>イスラエル社を272億円で買収完了
・帝人<3401>炭素繊維、宇宙・空に用途拡大、メーカー各社、月面探査車に部材供給
・三井化学<4183>防塵カバーを商業生産、EUV露光プロセス向け
・ダイセル<4202>発酵でウロリチンA製造、サプリメント向け展開
・三菱ケミHD<4188>中井工業を買収、高機能フィルム製品強化


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 1-3月期法人企業統計調査・全産業設備投資(前年比予想:-6.8%、10-12月期:-4.8%)

<海外>
・10:30 豪・1-3月期経常収支(予想:+177億豪ドル、10-12月期:+145億豪ドル)
・10:45 中・5月財新製造業PMI(予想:52.0、4月:51.9)
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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~月初は上昇する傾向から押し目買い意欲は強そう~