8日の日経平均は小反落。21.81円安の29708.98円(出来高概算11億3446万株)で取引を終えた。7日の米国市場は小動きとなり手掛かり材料に欠けるなか、朝方はやや売り先行で始まった。その後も断続的な売りが続いており、前場半ばには29516.42円まで下落幅を広げる場面も見られた。しかし、昨日同様、29500円処での底堅さが意識されるなかで押し目を拾う流れから下落幅を縮めており、大引け間際には一時上昇に転じている。結局は反落とはなったものの、底堅さはみられている。

東証1部の騰落銘柄数は値下がり数が1800を超えており、全体の8割超を占めている。セクターでは空運の下落率が3%を超えたほか、銀行、繊維、電力ガス、陸運、証券がさえない。一方で海運、その他製品、機械、精密機器がしっかり。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテスト<6857>、ソニーG<6758>が軟調。半面、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、信越化<4063>、エムスリー<2413>、ファナック<6954>の上昇が日経平均を下支えする格好となった。

昨日のTOPIX優位の相場展開から一転、本日はTOPIX型のインデックス売りに押された格好となった。ローテーションというよりはリバランス中心とみられており、引き続きバリュー、グロースといったシフトは見極めづらいところである。とはいえ日経平均は29500円辺りが心理的な支持線として意識される一方で、5日線に上値を抑えられる状況であり、狭いレンジ取引となった。明日は週末要因から積極的な売買は引き続き手控えられやすいほか、オプションSQとなることから若干ながら需給に影響を与えよう。

また、ファーストリテは引け後に第2四半期決算を発表した。営業利益は前年同期比22.9%増の1679億円となり、コンセンサス(1700億円程度)であることからザプライズ感はなさそう。本日はショートカバーから大きく反発をみせているものの、明日の決算反応次第では日経平均の方向性に影響を与えそうである。中小型株については物色対象が定まりづらく、強いトレンド形成が続いる銘柄以外には資金流入は限られている。今後決算発表が本格化してくることにより、決算を手掛かりとした先回り的な動きも意識されてこよう。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 29500円処での底堅さが意識される【クロージング】