16日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。リスク選好ムードが広がるなか、安全通貨のドルに下押し圧力が強まる見通し。ただ、株高や資源高を背景に円売りが優勢となり、ドルを支える展開となりそうだ。

前日は中国の旧正月、米国のプレジデンツデーによる休場で薄商いのなか、日本の新型コロナウイルス向けワクチンの購入に思惑が広がりドル・円やポンド・円の上昇が目立った。また、イタリアで発足したドラギ政権への期待感からユーロ・円も強含み、全般的に円売りが主要通貨を押し上げる展開に。本日アジア市場もその流れが受け継がれ、日経平均株価の堅調地合いを背景とした円売りが先行。短期的なリスク要因の後退によりドルは売りに振れやすいが、円売りに押され105円半ばに浮上した。

この後の海外市場でも、株価や資源価格が注目される。米バイデン政権の追加経済対策で財政赤字の拡大が意識され、早期実施期待が弱まればリスク選好ムードは一服する可能性があろう。ただ、30年ぶりの高値水準に上昇した日本株高が欧米市場にも波及し、円売り主導の見通し。また、NY原油先物(WTI)は1バレル=60ドル台に乗せるなど、資源高も顕著で円売りを支援しそうだ。一方、日本経済は緊急事態宣言により目先の悪化が想定され、日銀による一段の緩和的な金融政策への観測も円売り要因となる。

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 独・2月ZEW景気期待指数(予想:59.5、1月:61.8)
・19:00 ユーロ圏・10-12月期GDP改定値(前年比予想:-5.1%、速報値:-5.1%)
・22:30 米・2月NY連銀製造業景気指数(予想:6.0、1月:3.5)
・06:00 米・12月対米証券投資収支(ネット長期有価証券)(11月:+1492億ドル)
・中国休場(旧正月、17日まで)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、リスク選好の円売りが優勢に