11日の日経平均は続伸。171.02円高の23406.49円(出来高概算12億9776万株)で取引を終えた。米株安の流れが警戒されていたが、SQに絡んだ売買が差し引き買い越しだった流れもあり、日経平均は寄り付きの23114.63円を安値に、その後は強含みの展開となった。前場半ばにかけて23300円を回復しSQ値を明確に突破すると、後場も堅調推移が続いており、大引けにかけて23400円を回復している。

東京都は新型コロナウイルスに関するモニタリング会議を開き、「感染が拡大していると思われる」から1段階下の「感染の再拡大に警戒が必要であると思われる」に引き下げると伝わったほか、「GoToトラベル」キャンペーンの対象地域に東京都を追加する方針が伝わったことが材料視された。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1600を超え、全体の7割を占めている。セクターでは海運が連日で強い動きをみせており、3%を超える上昇。その他、その他金融、陸運、精密機器、空運、サービス、医薬品が堅調。半面、鉱業、輸送用機器、鉄鋼、非鉄金属が小安かった。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、テルモ<4543>、ソフトバンクG<9984>、リクルートHD<6098>、第一三共<4568>が堅調。一方でエムスリー<2413>、ダイキン<6367>、KDDI<9433>が冴えない。

SQに絡んだ売買が買い越しだった他、海運の強い動きが続くなど相対的に弱い動きが続いていたセクターといったバリュー株への物色がみられており、相場全体への押し上げにつながっている。グローベックスの米株先物がプラス圏で推移していたことも安心感につながったとみられる。また、米国市場はボラティリティの高い相場展開が続くとみられるが、一方で国内においては政策期待が高まりやすいほか、バフェット氏の大手商社株取得をキッカケにバリューシフトが意識されており、他の海外勢が追随する動きが期待されやすく、押し目買い意欲は強そうである。

新型コロナについては感染対策を行いつつ、経済活動再開に向けた動きが本格化してくるほか、新政権発足によって新たな経済対策等への思惑が高まりやすく、日経平均についても現在のもち合いレンジ上限レベルである23500円突破を意識したセンチメントに向かいやすいだろう。物色の流れについてはバリューシフトを意識しつつ、米ハイテク株の動向を睨んでのテクノロジー株の底入れからのリバウンドを意識した展開に向かいそうである。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 新型コロナ感染対策を行いつつ、経済活動再開に向けた動きが本格化【クロージング】