25日の日経平均は続伸。311.26円高の23296.77円(出来高概算12億株)で取引を終えた。米国市場の流れを受けて買い先行で始まり、寄り付き近辺を安値水準として終日強含みの相場となった。新型コロナウイルス感染症を巡る報道を受けた米国市場同様に、コロナの影響を大きく受けていた空運などを見直す流れが強まっている。前場半ばには米中貿易交渉に関連した前向きな報道も伝わり、後場寄り付き直後には一時23431.04円とコロナ前の水準を回復する場面もみられている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1600を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは空運の上昇率は6%を超えたほか、繊維、銀行、不動産、鉄鋼、海運、保険、パルプ紙、非鉄金属が堅調。半面、精密機器、その他製品、医薬品が利食いに押されている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、資生堂<4911>、リクルートHD<6098>、ダイキン<6367>がけん引。ファーストリテは1社で日経平均を約51円押し上げている。一方でエムスリー<2413>、中外薬<4519>、オリンパス<7733>、アドバンテスト<6857>が小安い。

インデックス買いが断続的に入っていた他、バリュー株への物色が強まったことから、出来高は7営業日ぶりに10億株を超えた他、売買代金についても2兆円を超えてきた。コロナ前の水準を回復したことにより、戻り待ちの売り圧力も次第に意識されてくる可能性がありそうだが、米国ではジャクソンホール会議が27~28日に開催され、27日にはパウエルFRB議長の講演が予定されていることもあり、先高期待は強そうである。米中貿易交渉についても警戒感が和らぐなど、足元では米国からのマイナス材料が出にくい状況にもみえてしまう。楽観視はできないものの、27日のFRB議長講演でのサプライズが意識されやすく、下値の堅さはより意識されてきそうである。

日経平均はマドを空けての上昇で明確に23000円を突破してきており、目先的には23000円から23500円辺りでのレンジが意識されそうである。マド埋めをみせてくる局面においては、押し目狙いのスタンスといったところ。ファーストリテやソフトバンクGの強い値動きによって日経平均は押し上げられ、銀行等への見直しの流れからTOPIXも強含みの展開となっており、物色の流れとしてはセンチメントをより明るくさせそうであり、明日以降も銀行株辺りの強さがみられるかが注目されるところである。バリュー株への物色が強まるようだと、活況が続く中小型株については、より物色銘柄が絞られることになりそうだ。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 足元では先高期待が強い米国からのマイナス材料が出にくい状況【クロージング】