12日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:日経平均19000円は心理的な踏ん張り処
■前場の注目材料:青山商、20/3期営業赤字に修正 ▲4.0億円←90.0億円
■ホンダ、「武漢」一部再開、日産も湖北省、週内操業へ


■日経平均19000円は心理的な踏ん張り処

12日の日本株市場は、波乱含みの相場展開ながら、底堅さを見極めることになりそうだ。11日の米国市場では、NYダウが1464ドル安となった。世界保健機関(WHO)は11日、新型コロナウイルスの感染拡大は「パンデミック」だと宣言したことが嫌気された。ダウは高値から20%下落した水準を割り込み、弱気相場入りした。シカゴ日経225先物清算値は大阪比205円安の19165円となり、安いところでは18930円まで下げ幅を広げる局面もみられた。円相場は1ドル104円40銭台で推移している。

WHOによるパンデミック宣言により、再びはニック的な流れになりそうだが、WHOは2日前に、世界的大流行を指すパンデミックに近づいているとの見方を示していたこともあり、想定されていたことであろう。先物主導によるインデックス売買の影響から売りが先行する格好になりそうだが、まずは直近安値水準での踏ん張りを見極めたいところであろう。

直近の日経平均の19000円割れで、いったんは目先的な底入れが意識されていただけに、これを割り込むことなく、底堅さが意識されてくるようだと、落ち着きをみせてくる可能性がありそうだ。日銀は18-19日の金融政策決定会合で、追加緩和を視野に議論を行うが、緩和手段としてはETFの買い入れ目標引き上げが有力な選択肢となる。

また、政府は景気減速に対応し、4月に緊急経済対策をとりまとめる検討に入ったと伝えられている。臨時休校などで休業を余儀なくされる子育て世帯への支援が中心で、現金給付案などが浮上しているようであり、これらの取り組み姿勢が相場の下支えとして意識されそうである。

明日の先物オプション特別清算指数算出(SQ)を前に波乱とは言え、SQ通過後の需給面での落ち着きも期待されるところ。VIX先物に対するショートポジションの解消も進捗していることもあり、次第に落ち着きを取り戻す展開に期待したいところであろう。市場はこれまでの世界の金融緩和政策に伴う過剰流動性相場によって株式市場に積み上がったロングポジションの逆流も警戒されている。しばらくは波乱含みとなろうが、まずは、日経平均が19000円を割り込まずに踏ん張りを見せられるかが注目される。


■青山商、20/3期営業赤字に修正 ▲4.0億円←90.0億円

青山商<8219>は、2020年3月期業績予想の修正を発表。営業損益は従来予想の90億円の黒字から4億円の赤字(前期は146億円の黒字)と一転赤字に転落する。新型コロナウイルスの感染拡大で店舗での販売が苦戦。また、店舗の減損損失や連結子会社の事業整理損失などで合計約175億円の特別損失を計上する。


■前場の注目材料
・1ドル104円40-50銭
・世界的な追加金融緩和期待
・日銀のETF購入
・株安局面での自社株買い
・来期の業績回復期待


・ホンダ<7267>「武漢」一部再開、日産も湖北省、週内操業へ
・OLC<4661>新型コロナ/ディズニー休園延長、来月上旬まで
・豊田通商<8015>英スタートアップに出資、新興国でMaaS推進
・長瀬産業<8012>DOE開発でEVGと協業
・ミスミG<9962>光学機器向けなど受託製造サービス拡充
・ソニー<6758>独ツァイスと協業、5Gスマホにレンズ搭載


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 2月企業物価指数(前年比予想:+1.1%、1月:+1.7%)
・08:50 1-3月期法人企業景気予測調査・大企業全産業景況判断(10-12月期:-6.2)

<海外>
・特になし




<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~日経平均19000円は心理的な踏ん張り処