25日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:閑散相場の中、過熱感がある銘柄への一段高を意識した個別物色に
■前場の注目材料:しまむら、20/3期下方修正、営業利益259億円←347億円
■ソフトバンク、みずほ銀「情報銀行」開始へ


■閑散相場の中、過熱感がある銘柄への一段高を意識した個別物色に

25日の日本株市場は、市場参加者が限られる中、こう着感の強い相場展開になりそうである。24日の米国市場はクリスマス・イブで午後1時までの短縮取引となる中、利食い優勢の流れとなった。NYダウは36ドル安、ナスダックは7ポイントの上昇だった。AMDが2.4%程度の上昇となったほか、アップルも小幅に上昇していることもあり、ハイテク株が指数を下支えする展開は続きそうである。シカゴ日経225先物清算値は大阪比5円安の23755円。円相場は1ドル109円30銭台で推移している。

海外市場が休場のため、海外勢の資金流入は既存のオーダーのみとみられ、リバランス中心に売買は膨らみづらい。また、金融庁は東京証券取引所の市場改革に関する金融審議会の報告書案を公表しており、2022年前半をめどに1部と2部、マザーズ、ジャスダックの4市場を3市場に再編するよう東証に促すと伝えられている。新1部へは「流通時価総額」で線引きし、100億円以上を目安とすると伝えられており、来年以降は流通時価総額を意識した選別物色の動きが出てきそうである。

とは言え、年内についてはこういった手掛かりを材料視した思惑的な売買は出難く、基本的には個人主体の中小型株物色が中心。さらに、直近IPO銘柄や人気銘柄に活発な値幅取り狙いを好む投資家に限られるとみられ、物色対象は絞られることになる。さらに、資金の逃げ足の速さもあって、参加しづらさも意識されそうだ。

また、個人主体ながらも年内受け渡し最終日を通過するまでは、換金売りなどへの警戒も意識されやすく、昨年のクリスマス後の急落に対するトラウマもくすぶる。来年を意識した中長期姿勢の押し目拾いの動きも限られそうである。とは言え、昨年と違うところでいえば、米中通商問題を背景に慎重姿勢が崩れておらず、日経225ダブルインバースETF<1357>の信用買い残高の積み上がりをみても、下落を想定している向きも多いことが窺える。

それ故に先高期待からのロングポジションはそれ程積み上がっておらず、強いトレンドが継続している銘柄や需給状況が良好な銘柄に対しては、ショートカバーを誘う流れにもなりやすいと考えられる。そのため、低迷している銘柄への押し目拾いというよりは、過熱感がある銘柄への一段高を意識した個別物色に向かわせやすい。


■しまむら、20/3期下方修正、営業利益259億円←347億円

しまむら<8227>は2020年3月期業績予想の修正を発表。営業利益は従来の347.35億円から259億円に下方修正した。4月や7月の低気温や10月上旬までの高気温、秋の相次ぐ台風上陸など天候不順により、季節衣料などの販売が低迷。台風による店舗の休業や営業時間短縮も収益の押し下げ要因に。予想はされていたものの、コンセンサス(285億円程度)を下回る下方修正となった。


■前場の注目材料
・日経平均は上昇(23830.58、+9.47)
・ナスダック総合指数は上昇(8952.88、+7.23)
・SOX指数は上昇(1862.20、+5.08)
・米原油先物は上昇(61.11、+0.59)
・米長期金利は低下
・日銀のETF購入
・株安局面での自社株買い


・日本郵船<9101>自動車船の燃料をLNGに、環境配慮を訴求
・ソフトバンク<9434>みずほ銀「情報銀行」開始へ
・中部電<9502>不動産事業を強化
・トーホー<8142>香港業務用食品卸を買収
・エーザイ<4523>不眠症薬が米で新薬承認、麻薬取締局審査後に発売
・王子HD<3861>石塚硝子と新会社、紙容器関連、新製品開発を推進



☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・クリスマス休場:NZ、豪、香港、シンガポール、インド、独、仏、スイス、英、南ア、米、カナダ、ブラジルなど




<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~閑散相場の中、過熱感がある銘柄への一段高を意識した個別物色に