9日の日経平均は続伸。76.30円高の23430.70円(出来高概算10億8000万株)で取引を終えた。先週末の米国株高の流れを受けたシカゴ先物にサヤ寄せする格好から23500円を回復して始まった日経平均だったが、寄り付きの23544.31円を高値に上げ幅を縮めており、前場半ばには23360.01円まで上げ幅を縮める局面もみられた。その後は底堅い値動きをみせているが、引き続き後場はこう着となり、後場の値幅は35円程度にとどまっていた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1400を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟国を加えた「OPECプラス」の委員会が減産に合意したことを背景に、鉱業の上昇率が3%を超えていた。その他、石油石炭、保険が2%を超える上昇となったほか、海運、鉄鋼、パルプ紙、その他製品が堅調。半面、精密機器、医薬品、不動産、証券が小安い。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>がけん引。一方で、アドバンテスト<6857>、テルモ<4543>、第一三共<4568>が冴えない。

雇用統計の結果を評価した米株高の流れを受けてギャップスタートとなったが、結局は寄り付きが高値となり、これまで通り、その後はこう着感の強い相場展開であった。とはいえ、買い一巡後のこう着は想定済みであり、重要イベントを控えていることをみれば、上値の重さというよりも底堅さが意識された格好であろう。週末にメジャーSQを控えていることから、オプション権利行使価格の23375-23500円処が現時点では居心地の良いところ。これをブレイクしたとしても23500-23625円のレンジを意識する格好となるため、11月26日につけた高値23608.06円接近では利食いも出やすいだろう。

米中通商協議を巡り、15日に米国が予定している中国製品への新たな関税の発動の行方を見極めたいところである。第一段階の合意といったサプライズ的な動きがない限りは、こう着感の強い相場展開が続こう。積極的にポジションを取りに行く動きが限られる半面、いったんは利益確定といった意識に向かわせやすく、先行して上昇していた銘柄や足元で好循環の中小型株などへは利食いの動きが強まる可能性がありそうだ。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 23375-23500円処が現時点では居心地の良いところ【クロージング】