1日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:任天堂、TDKなど決算反応でセンチメントを見極め
■前場の注目材料:任天堂、2Q営業利益53.4%増、コンセンサス上回る
■アイシン精、AWと21年4月めど統合、電動化などで競争力


■任天堂、TDKなど決算反応でセンチメントを見極め

1日の日本株市場は、米株安の流れから売りが先行しようが、売り一巡後はこう着感の強い相場展開になりそうだ。10月31日の米国市場は、NYダウが140ドル安となった。中国が米国との通商協議において包括的かつ長期的な合意に達することは困難であると考えていることが伝わったことが嫌気されている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比230円安の22720円。円相場は1ドル108円00銭近辺と円高に振れて推移していることも手掛けづらくさせそうだ。

もっとも、決算発表が第一弾のピークを迎えるなかで、積極的な売買は手控えられており、大きなトレンドは出難い状況でもある。これまでの主要な企業決算ではアク抜け的な値動きがみられていたが、昨日はアドバンテスト<6857>、アンリツ<6754>など、上方修正を発表したものの、利益確定が優勢となっている。決算後の株価反応を見極めたいとする模様眺めムードも強まりやすい。

昨日の引け後決算では、任天堂<7974>、TDK<6762>などがポジティブ視される。しかし、市場反応が限られてくるようだと、より様子見につながりやすくなりそうだ。その他、決算では大平金<5541>、鳥居薬<4551>、トーエネク<1946>、三機工<1961>、MDM<7600>、新明和<7224>、都競馬<9672>、M&Aキャピ<6080>、タムロン<7740>などがポジティブな決算であった。

また、3連休に入ることからインデックス売買が中心となりやすい。昨日は225型が弱かったが、TOPIX買いが断続的に入っており、相場全体を下支えする格好であった。下落局面では日銀のETF買い入れへの思惑も売り込みづらくさせそうだ。

その他、米国では雇用統計の発表がある。ゼネラルモーターズのストの影響が4.5万人程度押し上げる要因となるため、コンセンサスを下回る可能性がある。そのため、雇用統計を嫌気した米国株の不安定な値動きも警戒されやすく、短期的な値幅取り狙いが中心になりそうだ。


■任天堂、2Q営業利益53.4%増、コンセンサス上回る

任天堂<7974>は第2四半期決算を発表。営業利益は前年同期比53.4%増の942億円だった。コンセンサス(780億円程度)を上回った。主力の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売好調が続いた。スイッチライトについては、米国などを中心に好調な滑り出しを見せている。「ポケットモンスター」シリーズの新作を11月に控え、一段の伸びに期待。

■前場の注目材料
・日経平均は上昇(22927.04、+83.92)
・米長期金利は低下
・日銀のETF購入
・株安局面での自社株買い


・京セラ<6971>車載カメラなどタイへ生産移管
・日本電産<6594>オムロン車載事業の買収完了
・アイシン精<7259>AWと21年4月めど統合、電動化などで競争力
・日立建<6305>純正部品ネット購入システムを海外展開
・任天堂<7974>「スイッチ」向けマリオ、中国で販売認可
・大日印<7912>オンラインで本人確認、銀行向け開発キット


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:30 9月失業率(予想:2.2%、8月:2.2%)
・08:30 9月有効求人倍率(予想:1.59倍、8月:1.59倍)

<海外>
・10:45 中・10月財新製造業PMI(予想:51.0、9月:51.4)



<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~任天堂、TDKなど決算反応でセンチメントを見極め