16日の日経平均は下落。150.65円安の21535.25円(出来高概算10億4000万株)で取引を終えた。15日の米国市場は中国の4-6月期GDP成長率が27年ぶりの低成長となり、貿易摩擦の影響が懸念されたほか、本格化する4-6月期決算発表を前に見極めムードが強まり、上値の重い展開だった。また、円相場がやや円高で推移していたことも重石となっており、小幅に反落して始まった日経平均は、その後も下げ幅を広げる中、前引け間際には一時21514.89円まで下げている。ただし、節目の21500円を割り込む流れにならず、後場は40円弱の狭いレンジではあったが、21500円を上回っての推移が続いている。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは、石油石炭、電力ガス、鉱業、精密機器、パルプ紙、陸運が軟調。半面、輸送用機器、その他金融、金属製品、その他製品が小じっかり。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、ユニファミマ<8028>が軟調。一方で、第一三共<4568>、トヨタ<7203>、安川電<6506>がしっかりだった。

日経平均は5日線を挟んでのこう着感の強い相場展開が続いた。テクニカル面では25日線、75日線が支持線として意識されやすく、引き続き節目の21500円処での底堅さが意識されそうである。米国ではゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ等、金融株の決算が予定されている。決算内容を見極めたいとの模様眺めムードも強かったとみられるが、決算への期待感は高まっていないこともあり、決算内容というよりは通過材料といった格好になりそうである。

一方で、決算などを手掛かりとした中小型株の一角への資金集中がみられている。ロシュ・グループ企業であるジェネンテック社と、複数ターゲットを対象にした共同研究およびライセンスに関する提携契約を締結したとの発表が好材料視されたそーせい<4565>は、14%を超える上昇をみせている。商いの膨らみづらい需給状況ではあるが、個人主体の物色意欲は根強く、しばらくは個別材料での物色が中心になりやすいだろう。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 決算を手掛かりとした中小型株の一角へ資金集中【クロージング】