■NY株式:NYダウ512ドル高、貿易摩擦を巡る懸念が後退

米国株式相場は上昇。ダウ平均は512.40ドル高の25332.18、ナスダックは194.10ポイント高の7527.12で取引を終了した。中国政府が貿易摩擦問題で米国との対話による交渉を求めたことが好感され、貿易摩擦への警戒感が後退し、買いが先行。パウエルFRB議長が、必要であれば利下げに動く可能性を示唆したこともあり、終日堅調となった。セクター別では不動産を除いて全面高となり、特に自動車・自動車部品や半導体・半導体製造装置の上昇が目立った。

ハイテク大手への独禁法違反での調査への懸念が一服し、検索大手のアルファベット(GOOGL)、SNSのフェイスブック(FB)が堅調推移。動画ストリーミングのネットフリックス(NFLX)は、一部アナリストが、主要ハイテク株の中で独禁法及び規制関連のリスクが低い最良の投資先であると指摘し上昇。宝飾品のティファニー(TIF)は、決算で中国人旅行客への販売が大きく減少したものの、利益が市場予想を上振れ買われた。薬剤給付管理会社のCVSヘルス(CVS)は、中期的な経営戦略が好感され上昇した。

仏の自動車大手ルノーの取締役会は、同業フィアット・クライスラー(FCAU)との経営統合に関して5日に再び協議を行う予定。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米早期利下げの思惑でドル売り継続

4日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円98銭へ弱含んだのち108円36銭まで上昇し、108円15銭で引けた。トランプ米大統領がメキシコ製品に関税を発動する方針を確認したため、一時リスク回避の動きが強まった。しかし、中国が貿易論争で交渉を続けていくことで問題を解決する意向を示したため、米中貿易摩擦の深刻化懸念は後退し、リスク選好の円売りが再燃。その後、パウエルFRB議長が「景気拡大を持続するために適切な行動をとる」と利下げを辞さない姿勢を示したため、ドル売りが強まった。

ユーロ・ドルは、1.1227ドルから1.1267ドルまで上昇し、1.1252ドルで引けた。ユーロ・円は、121円48銭から121円79銭まで上昇。米国の利下げ観測、米中貿易摩擦の深刻化懸念の後退で、リスク選好の円売りが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2663ドルから1.2714ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9956フランから0.9904フランまで下落した。


■NY原油:小幅高で53.48ドル、米国株高を意識した買いが入る

NY原油先物7月限は小幅高(NYMEX原油7月限終値:53.48 ↑0.23)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日比+0.23ドルの53.48ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは52.43ドル−53.78ドル。米国株の大幅上昇を受けて反発したが、通常取引終了後の時間外取引で再び53ドルを下回った。ムニューシン米財務長官は20カ国・地域(G20)首脳会合において中国側との正式な会合は予定していないとの見方を伝えており、通商問題などを巡る米中対立の長期化・深刻化の影響で世界経済の成長率は大幅に鈍化し、原油需要は減少するとの懸念は消えていないようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  27.92ドル   +1.24ドル(+4.65%)
モルガン・スタンレー(MS) 42.48ドル   +1.75ドル(+4.30%)
ゴールドマン・サックス(GS)189.88ドル  +6.69ドル(+3.65%)
インテル(INTC)        44.79ドル   +1.33ドル(+3.06%)
アップル(AAPL)        179.64ドル  +6.34ドル(+3.66%)
アルファベット(GOOG)    1053.05ドル +16.82ドル(+1.62%)
フェイスブック(FB)     167.50ドル  +3.35ドル(+2.04%)
キャタピラー(CAT)      122.08ドル  +1.43ドル(+1.19%)
アルコア(AA)         21.89ドル   +0.38ドル(+1.77%)
ウォルマート(WMT)      102.56ドル  +0.60ドル(+0.59%)
スプリント(S)         6.98ドル   +0.20ドル(+2.95%)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 4日の米国市場ダイジェスト:NYダウ512ドル高、貿易摩擦を巡る懸念が後退