8日の日経平均は小反落。45.85円安の21761.65円(出来高概算10億5000万株)で取引を終えた。3月の米雇用統計の結果を材料視した米株高の流れを引き継ぐ格好から、日経平均は21900円を回復して始まった。ただし、寄り付きで付けた21900.55円を高値にその後はこう着感が強まり、次第に上げ幅を縮めると、先週末の終値を挟んでの推移が続いた。後場は日銀のETF買い入れ期待もあったとみられるが、水準的には入りづらい中、後場の値幅は50円弱にとどまっている。参加者は限られており、売買代金は3月19日以来の1.9兆円を下回っている。物色は個人主体の材料株に値幅取り狙いが集中する格好。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1400に迫り、全体の6割を超えている。セクターでは、鉱業、石油石炭、不動産、電力ガス、精密機器、サービスがしっかり。一方で、保険、海運、非鉄金属、銀行、輸送用機器が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ファナック<6954>、ソフトバンクG<9984>、信越化<4063>が重石になる半面、ファーストリテ<9983>、テルモ<4543>、資生堂<4911>が下支えする格好だった。

日経平均は2日に次いで寄り付き高、ほぼ安値引けとなったが、テクニカル面では25日線が支持線として意識されており、もち合いレンジ(21000-21800円)の上限レベルでの底堅さは意識されている。21910円処に位置し、抵抗として意識されている200日線に上値を抑えられた格好であり、直近の上昇に対する利益確定の流れが優勢だったようである。

一方で、個人主体の短期的な値幅取り狙いの資金が中心とみられるが、決算を手掛かりとした物色のほか、サンバイオ<4592>が後場急伸してストップ高を付けるなど、材料に敏感に反応する地合いでもある。需給状況は改善傾向にあるとみられ、米中通商協議や12日の英国のEU離脱協定案の行方を見極めたいところであり、足元では戻り高値水準でのこう着が続きやすいところであろう。国内要因としては、ファーストリテのほか、安川電機<6506>の決算内容のほか、これを受けた市場反応を見極めたいところである。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 物色は個人主体の材料株に値幅取り狙いが集中【クロージング】