2日のドル・円相場は、東京市場では111円46銭から111円29銭まで下落。欧米市場でドルは111円43銭から111円25銭まで下落し、111円36銭で取引を終えた。

本日3日のドル・円は主に111円台前半から半ばで底堅く推移か。材料難のなか、株価や長期金利をより顕著に反映した値動きとなりそうだ。

2日の欧米市場では、アジア市場同様に材料難でレンジ取引となり、111円30銭台を中心にほぼ横ばいの値動きとなった、ユーロ圏の2月生産者物価指数は予想を下回ったものの、ユーロ売りは回避。米耐久財受注は想定を上回ったとはいえ低調な内容に。ただ、足元で発表された中国の堅調な経済指標で過度な減速懸念は弱まっており、全般的にリスク許容のムードは弱まっていないようだ。

そうしたなか、英国のメイ首相は2日、欧州連合(EU)離脱に関する交渉期限の延長を要請する意向。同時に労働党のコービン党首と議会採決について協議する方向で、同党首もそれに応じる構え。先行きの展開は楽観視できないものの、英国の合意なき離脱への警戒がいったん収束。それを受け、ポンド・円やユーロ・円の値動きがドル・円をサポートする可能性があろう。

ドル・円は、前日の米国株がまちまちとなり日本株は小動きが予想され、ドルは方向感の乏しい展開を予想する。10時45分に発表される中国の財新3月サービス業PMIは前回上振れが予想され、同国経済の回復が示されれば円買いはさらに後退し、ドルは111円半ばに押し上げられる見通し。一方、夕方にかけてトルコの消費者物価指数(CPI)の内容が想定以上に悪化した場合には、新興国通貨を中心に動意づく可能性もあろう。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:世界的な景気減速への過度な懸念は緩和