21日の日経平均は続伸。53.26円高の20719.33円(出来高概算11億2000万株)で取引を終えた。米中貿易交渉が進展しているとの期待から18日の米国市場が大幅上昇となり、日本株市場も買い先行となった。ただし、中国の経済指標の結果を見極めたいとする模様眺めムードもあり、寄り付き後に付けた20892.68円を高値に上げ幅を縮めている。週明けの米国市場が休場となるため、海外勢のフローが限られていることも影響しているようであり、後場の値幅は連日で100円未満と狭いレンジでの取引となった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1400を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは石油石炭、鉱業、海運、鉄鋼、金属製品、卸売など、資源関連を中心にこれまで低迷していたセクターへの買い戻しが強まっている。一方で、空運、サービス、陸運、情報通信が利食いに押されている。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、TDK<6762>、日東電<6988>が堅調な半面、ダイキン<6367>、ユニファミマ<8028>が重石。

日経平均がこう着となる中、材料性のある中小型株への物色が続いていたが、サンバイオ<4592>に資金が集中する中で、他の中小型株は次第に利食いに押される格好となった。マザーズ指数は朝方こそ強含んでいたが、結局は6営業日ぶりに反落となった。ただし、上昇する5日線は支持線として意識されており、連日の上昇に対する一服といったところであろう。サンバイオに資金が集中する一方で、他のバイオ株は利食いが強まっており、腰の据わった資金流入は限られており、資金回転の速さが窺える。

明日は米国市場の休場の影響から海外勢のフローは引き続き限られるとみられ、薄商いの中、こう着感の強い相場展開になろう。また、英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、議会への代替案の提示が21日に期限を迎えるため、欧州市場の影響も見極めたいところである。その他、日銀金融政策決定会合が22-23日に開かれる。政策面では現状維持がコンセンサスではあるが、市場の一部ではETF買入れ比率について、225型を引き下げ、TOPIX型を引き上げるのではないかとの見方がされており、こちらも様子見要因になりやすい。

そのため、今日のところは利食いに押される格好とはなったが、引き続きマザーズ銘柄など中小型株の物色が意識されそうである。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 利食いに押されたが、引き続き中小型株物色を意識【クロージング】