19日の日経平均は反発。140.82円高の21821.16円(出来高概算12億8000万株)で取引を終えた。先週末の米国市場ではエヌビディア急落の影響が、アップルなどFANG銘柄に波及しなかったこともあり、先週末のエヌビディア・ショックに対する自律反発の流れとなった。朝方はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では議長国のパプアが首脳宣言の採択を断念する異例の事態となったこと、為替市場では円相場が1ドル112円台と円高に振れて推移するなか、日経平均は小幅に下落して始まった。ただし、その後はプラス圏での推移が続いた。とはいえ、出来高は12億株台にとどまっており、薄商いの中を指数インパクトの大きいソフトバンクG<9984>などが押し上げた格好。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1200を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは、鉱業、情報通信、その他製品、精密機器、電気機器、医薬品、繊維、機械が上昇。半面、米長期金利の低下を受けた利ザヤ悪化を警戒した流れから銀行が下落率トップ。石油石炭、パルプ紙、鉄鋼、倉庫運輸、証券が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクGが日経平均を約50円押し上げたほか、東エレク<8035>、ファナック<6954>が堅調。一方でファーストリテ<9983>が重石となっている。

後場の日経平均はこう着感の強い展開となり、前場に付けた高値は超えられなかったが、後場の高値圏で取引を終えている。直近ボトム圏でのもち合いであり、5日、25日線での攻防となるが、一先ず底堅さが意識される格好となっている。出来高は12億株台、売買代金は2兆1000億円台と先週週初以来の低水準であり、薄商いの中で値幅が出た格好である。今週は週後半が日米ともに休場になるため、週半ば以降は一段と商いが細る可能性があるため、リバランスの動きで指数は振らされやすいだろう。

その中で、マザーズ指数の上昇率が3%を超えるなど、中小型株物色が活発だった。時価総額上位のサンバイオ<4592>が5営業日続伸で最高値を更新した影響が大きいものの、マザーズ指数の底堅さは個人のセンチメントを明るくさせよう。週末にかけて商いが細る中で、中小型株物色の流れがより活発化しよう。




<CN>

情報提供元: FISCO
記事名:「 薄商いの中で個人主体の中小型株物色の流れがより活発化【クロージング】