16日の日経平均は続落。123.28円安の21680.34円(出来高概算14億2000万株)で取引を終えた。15日の米国市場でアップルが6営業日ぶりに反発したことからハイテク株への安心材料として期待されたが、エヌビディアが取引終了後に発表した軟調な11-1月(4Q)見通しが嫌気されるなど、FANGを始めとする米ハイテク株の底入れが確認しづらい状況となった。日経平均は寄り付き直後に付けた21873.74円を高値に、その後はじり安基調が続き、結局は本日の安値圏で取引を終えている。

東証1部の騰落銘柄は値下り数が1400を超えており、全体の6割を超えている。セクターでは、任天堂<7974>が9%を超える大幅安となった影響から、その他製品が下落率トップ。パルプ紙、金属製品、電気機器、石油石炭、ゴム製品、機械、証券が冴えない。一方で、鉱業、陸運、保険、水産農林、鉄鋼がしっかり。指数インパクトの大きいところでは、エヌビディアの急落影響からソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、信越化<4063>、アドバンテスト<6857>が下落。また、中国商務省が反不当廉売調査を始めたと報じられる中、ファナック<6954>の中国リスクが重石となった。

英国の欧州連合(EU)離脱や米中貿易摩擦の行方を見極めたいとする模様眺めムードが強まるなか、エヌビディア・ショックを警戒したポジション圧縮の動きが強まったようだ。また、任天堂の大幅下落などもセンチメントに影響を与える格好となったとみられる。ポジション圧縮の動きは中小型株へも波及する格好となり、個別に大きく下げている銘柄なども不安感を強める一因となっている。

来週も米中首脳会談の行方を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすく、引き続き方向感の掴みづらい状況が続こう。また、日米ともに週末(米国は22日)が祝日で休場となるため、国内外の機関投資家のフローも限られると考えられる。そんな中、市場の関心は米クリスマス商戦に移る。米国では22日の感謝祭の翌日である23日がブラックフライデーとなり、小売店などで大規模な安売りが実施される。米個人消費の好調が日本株市場への支援材料となることが期待されそうた。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 市場の関心は米クリスマス商戦に移る【クロージング】