14日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:個別銘柄へは短期資金が集中しやすく
■前場の注目材料:三菱UFJ、2Q経常利益2.5%増、自己株式取得および消却を発表
■IHI、F1パワーユニット開発、ホンダと再びタッグ

■個別銘柄へは短期資金が集中しやすく

14日の日本株市場は、前日の大幅下落に対する自律反発が意識されるものの、こう着感の強い相場展開になりそうだ。13日の米国市場ではNYダウが100ドル安となった。前日の株価下落を受けて買い戻しが広がったものの、原油相場の大幅下落でエネルギーセクターが売られたほか、トランプ政権による自動車輸入関税の導入検討が報じられ、貿易摩擦への警戒感が強まっている。ハイテク株については、アップル急落による連鎖売りに対する自律反発がみられているが、アップルは下げており、底打ちは意識しづらいところ。シカゴ日経225先物清算値は大阪比10円高の21770円だった。

トランプ政権による自動車輸入関税の導入検討報道については昨日の段階で伝えられており、改めて売り込む材料にはならないだろう。とはいえ織り込み済みといったアク抜けはなく、様子見要因といったところ。ハイテクについても自律反発一巡後は再び戻り売りに押される可能性はある。ただし、日経平均は昨日の21500円処での下げ渋りにより、一先ず本日の処は下げ渋る動きが意識されやすい。

一方で、昨日は日経平均、TOPIXが2%を超える下げとなる半面、マザーズは0.7%、JASDAQは0.4%にとどまっており、売り一巡後は中小型株に切り返す動きが散見されていた。決算を評価した個別物色のほか、依然としてまちまちではあるが、強い銘柄に押し目拾いの流れが強まる動きもみられており、日経平均が一時800円に迫る下落となる中で、個人投資家の冷静さが窺える状況であった。

10月の急落局面で需給整理はいったん終えているとみられ、下落局面での押し目拾いの動きは入りやすいだろう。物色対象に広がりがみられてくるのには米国市場の落ち着きや米中貿易摩擦への警戒が和らぐ必要があろうが、反対に物色対象が絞られやすく、より個別銘柄へは短期資金が集中しやすくなろう。中小型株でも流動性の高い銘柄や需給不安が限られている直近IPO銘柄などに注目したいところであろう。



■三菱UFJ、2Q経常利益2.5%増、自己株式取得および消却を発表

三菱UFJ<8306>は13日、第2四半期決算を発表。経常収益は前年同期比10%増の3兆3757億円、経常利益が同2.5%増の8859億円だった。コンセンサス(8727億円程度)を上回っての着地だった。合わせて2億株、1000億円を上限とする自己株式取得、および消却を発表している。



■前場の注目材料

・ナスダック総合指数は上昇(7200.88、+0.01)
・シカゴ日経225先物は上昇(21770、大阪比+10)
・SOX指数は上昇(1190.37、+15.88)
・VIX指数は低下(20.02、-0.43)
・米長期金利は低下
・日銀のETF購入
・好調な企業業績
・補正予算への期待

・IHI<7013>F1パワーユニット開発、ホンダ<7267>と再びタッグ
・パーソルHD<2181>個人・企業マッチングで新会社、ランサーズと提携、来年1月
・トヨタ紡織<3116>経営基盤・モノづくり機能強化、拠点新設
・住友重<6302>スペイン社買収、減速機サービス拠点拡充

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 7-9月期GDP速報値(前期比年率予想:-1.0%、4-6月期:+3.0%)

<海外>
・11:00 中・10月鉱工業生産(前年比予想:+5.8%、9月:+5.8%)
・11:00 中・10月小売売上高(前年比予想:+9.2%、9月:+9.2%)




<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~個別銘柄へは短期資金が集中しやすく