以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2018年10月31日9時に執筆

直近の東京市場は厳しい調整局面にさらされている。日経平均はそれまで上値抵抗ラインとして機能してきた23000円どころを突破するとセオリーどおり一気に上放れ展開となり年末相場に期待が高まる24448.07円の年初来高値を月初につけた。そこから相場が急変し21000円割れまで叩き落される展開を予想できた投資家はどれほどいただろう。

今回の突然の大調整のきっかけは現地11日のNYダウが−831.83ドルの急落を演じたときから世界の株式市場の歯車が狂い始めたことだ。こうした大きな陰線を引くとその後数ヶ月は投資マインドが冷え込み、その回復には時間を要する羽目になることが多い。

私が執筆し、フィスコソーシャルレポーターをはじめるきっかけとなった株式ブログ「兜町放浪記」で14日(日)に「NYダウの反発はフェイクの可能性大」としたが現在でもその認識は継続している。

一歩引いて冷静に相場を眺めると、ここまでの米国株の金利上昇局面における株高は一種の超常現象に等しいものだったとも思えてくる。市場経済と自由経済原理の本家本元であり、その番人のはずのアメリカが世界貿易を不安定にさせる一方で、金利上昇局面にも抗うように株高を狙うド−ピング相場に突き進みうまくいっていただけのこととも思えてくる。

その面で今回の株安は質の良い下げである。実体経済の上げ下げは横に置き、金利上昇に見合う反作用を株式市場が体現することは全く正常な動きだ。より経済原則にあてはまる動きを想定するならば、金融市場が調整することで消費が落ち込み、実体経済がク−ルダウンし、リセッションに入り、そこで金融引き締め調整が終了から再び緩和をさぐる、この繰り返しのはずである。

だから現在の米国には株安になって当然の条件が揃っている。それに比べ日本株にはそれがない。現在の日米両国の調整相場からは「米国株は質の良い下げ、日本株は盲目的な下げ」の印象しかない。

直近の個別株については、業績動向を全く無視して大きく下押す銘柄であふれかえっている。反発力と業績の裏づけは必ずしも一致しないもので、値動きの良さについてしまいがちだが、ここは業績重視で銘柄選別するときだと個人的には考える。そこで以下の銘柄に注目したい。

■ソニー<6758>・・・9月28日につけた6973円から、10月30日に5662円まで売り込まれてきた。NYダウに比べ日経平均の下落率が上回り、日経平均より個別株の下落率が更に上回る点でまずはブルーチップ(端的に言えば、米国の優良株のこと)の突っ込み警戒感からの反発を狙いたい。

■GMOペパボ<3633>・・・直近の下げ相場では新興市場株の売られ方が特に酷い。同社もその展開に巻き込まれた格好だが、30日公表の決算では今期経常益を45%上方修正しており、業績面で見直し買いの候補に。

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執筆者名:兜町放浪記
ブログ名:兜町放浪記





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情報提供元: FISCO
記事名:「 「兜町放浪記」:米国株は質の良い下げ、日本株は盲目的な下げ【FISCOソーシャルレポーター】