以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2018年10月3日9時に執筆

直近の東京市場は日経平均の上値追いがとまらない。何度も跳ね返されてきた「日経平均23000円の壁」を突破してからは立会い6日間で難なく24000円奪還し、足取りは軽快だ。連日の年初来高値更新ながら過熱感なり、買い疲れ感とはまったく無縁の上昇ぶりで年末高に向け期待感と安心感で投資マインドは着実に好転しているだろう。

ネット取引が主流となる中で、信用取引も一般化してきた。預かり資産や取引歴といった投資家の「信用レベル」を昔ほど問われることもなく、証券口座を開けばまず問題なく信用取引ができる。IPO銘柄も初値をつけて数日後には信用買いが可能になるから、その頃から値動きは更に荒っぽくなるのも信用買いの投資家が参入してくるからだろう。

日経平均が「23000円の壁」突破に手こずり手詰まり感が強い期間、空売りが積みあがっていた。昔ほど「株の信用取引をする」ことに抵抗感がなくなり、個人投資家の投資成果の幅を大きくすることに一役買っている「空売り」で儲けようとする個人投資家は多い。

空売りのリスクは損失が青天井であることだ。空買いは株価が0になったとき損失の限界点を迎えるが、空売りはそれがないため「ハイリスクな取引」の代表格として扱われる。そうはいっても空売りに儲け妙味があることは否定できない。上がった株を売ればよいわけで、空売り対象候補は絞り込みやすい分、命中率は高い。

買い方と売り方の信用残が拮抗し、積み上がることを「信用の取り組みが厚くなる」と言う。そんな時でも売り方の見方は実は買い方だ。「買い方の敵は買い方」で信用需給を崩すのは買い方自身の重さである場合が大半だ。売り買い拮抗銘柄は仕手筋不在の仕手戦と気を引き締めたほうが良い。

東海カーボン<5301>・・・6月8日につけた上場来高値2373円のあと、8月17日に1707円まで調整後の仕切り返し場面だ。新高値更新となるか正念場だが、買い材料となっている黒鉛電極市況は引き続きタイトな状況で押し目を狙いたい。

チームスピリット<4397>・・・労務管理・業務管理ソフトをクラウドで提供する直近IPO銘柄のひとつ。市場では「働き方改革関連株」としてリストアップされることが多く、材料株相場では人気を集めそうだ。

ブレインパッド<3655>・・・2019年6月期予想は売上・営業利益とも過去最高を見込む。ビックデータ活用で実績があり業績に安心感が伴う数少ない銘柄。上昇スピードの調整はあってもトレンド継続が期待出来そうだ。

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執筆者名:兜町放浪記
ブログ名:兜町放浪記





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情報提供元: FISCO
記事名:「 「兜町放浪記」:買い方の敵は買い方【FISCOソーシャルレポーター】