2日の日経平均は下落。234.17円安の22512.53円(出来高概算16億4000万株)で取引を終えた。米中貿易摩擦への影響を警戒した米株安の流れを受けて売りが先行すると、その後好業績株への物色などから、一時22754.73円と上昇に転じる局面もみられた。しかし、米中貿易摩擦への警戒から上海市場が大きく下落するなか、機械株など中国関連が軒並み大きく値を下げており、日経平均は後場半ばには22464.81円と22500円を下回っている。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは、パルプ紙が4%を超える上昇となった他は32業種が下げており、非鉄金属、海運、鉱業、石油石炭、鉄鋼、ゴム製品、輸送用機器の弱さが目立っている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、KDDI<9433>、ソフトバンクG<9984>、資生堂<4911>、TDK<6762>が重石。

日経平均は25日線を支持線としたもち合いレンジ内での推移であり、決算発表がピークを迎えている中では想定内の動きともみられる。ただ、下げの一因となった「トランプ政権が中国からの輸入品2000億ドル相当への関税率引き上げを検討しているとの報道」に関しては、前日の朝方に既に伝えられており、ここまで嫌気される動きにつながるとはサプライズである。米中貿易摩擦については、米中間選挙までは駆け引き等が続くとみられ、引き続き一喜一憂する状況が続きそうである。

また、日銀は毎月のオペ運営計画で予定していなかった長期国債の買い入れを通知した。足元での長期金利上昇に対応した格好だが、これまで通常の買い入れが予定外で実施されたことはなかっただけに、金利上昇を手掛かりとした金融株物色もやや手掛けづらくさせていた。こちらは引き続き日銀の動きを睨みながらの相場展開となろう。

こういった需給状況の中では、好決算銘柄に対する物色もやや神経質にさせてくる。決算の反応が限られてくるようだと、次第に模様眺めムードが広がりやすくなりそうである。好業績銘柄の下値拾いのスタンスとなろう。



<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 米中間選挙までは駆け引き等が続く【クロージング】