19日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:米アルコア決算で物色対象に変化も
■決算チェック:ミズノは18年3月期営業利益を上方修正、従来予想を20億円上振れ
■前場の注目材料:三菱重、情報管理強化、防衛装備品、米の指針受け


■米アルコア決算で物色対象に変化も

19日の日本株市場は、こう着ながらも底堅い相場展開が見込まれる。18日の米国市場は、IBMの下落が重しとなったが、これについては前日の時間外で下げていたこともあり、織り込み済みとなる。一方で金属大手のアルコアは、取引終了後に1-3月期決算を発表し、売上高、一株利益ともに予想を上振れている。時間外では上昇して推移しており、これが材料視されることになろう。

日経平均は緩やかなリバウンドを続けており、22000円固めから22500円処が意識されてきている。ただ、価格帯別出来高では、ここから22300円辺りでは商いが積み上がっている水準でもあり、戻り待ちの売り圧力も意識されてくるだろう。今後本格化する決算を前に、ハイテクや金融株等への見直しに向かえないと、本格的なリバウンドは期待しづらいところ。

また、次第に決算を手掛かりとした個別物色になりやすく、方向感を掴みづらくさせそうだ。その他、財務省問題など国内政治リスクへの警戒から積極的な売買は手控えられやすいだろう。とはいえ、海外勢の需給動向に変化がみられてきており、下値の堅さは意識されるとみられる。足元ではインデックスに絡んだ商いに振られやすく、且つ、内需・ディフェンシブ系にシフトしている。アルコアの決算を受けて、物色対象に変化がみられるかが見極めたいところである。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ミズノは18年3月期営業利益を上方修正、従来予想を20億円上振れ

ミズノ<8022>は18年3月期営業利益が前の期比で約5.2倍となる75億円で着地する見込みと発表している。大幅増益が見込まれていた従来予想55億円をさらに4割近く上回ったようだ。売上高は同2%減の1850億円となる見込みとしており、従来予想に50億円届かなかったもよう。ランニングシューズの販売が伸び悩んだことが売上未達につながった。しかし、生産・仕入コストの低減、在庫の適正化が計画以上に進み、売上高総利益率が向上したという。グローバルでのゴルフビジネスの収益性が改善し、日本の競技スポーツ品販売事業も計画以上に伸長した。また、米国事業の再構築等も収益改善に寄与したしたようだ。同社株価は17年5月以降、値固めの動きを続けているが、修正後の18年3月期会社予想ベースでPERは18倍弱にとどまっている。営業利益の上振れ幅は市場想定以上とみられ、見直し買いにつながる可能性は高いと考えられる。


■前場の注目材料

・米アルコア、決算評価で時間外上昇
・ナスダックは上昇(7295.24、+14.14)
・日銀が大規模緩和継続
・好業績銘柄に買い
・米原油先物は上昇(68.47、+1.95)
・日経平均は上昇(22158.20、+310.61)


・三菱重<7011>、情報管理強化、防衛装備品、米の指針受け
・東電力HD<9501>、NTT<9432>と新会社設立、脱炭素化・エネ安定供給、新ビジネス創出


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:40  社債等買い入れオペ(日本銀行)

<海外>
・10:30  豪・失業率(3月)  5.5%  5.6%



<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~米アルコア決算で物色対象に変化も