5日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:先物に振らされやすい需給状況に
■決算チェック:住友鉱の18年3月期経常利益は1250億円前後の公算、従来予想上振れもサプライズなし
■前場の注目材料:住友電、微小な亀裂検出、焼結部品、AIで「見逃しゼロ」


■先物に振らされやすい需給状況に

5日の日本株市場は米株高の流れを引き継ぐ格好から、買い先行の展開になろう。4日の米国市場は米中貿易摩擦への警戒からNYダウは一時500ドルを超える下落となった。しかし、関税発動のタイミングや、交渉余地が残るとの見方から引けに掛けて切り返すなど、値動きの荒い展開となった。シカゴ日経225先物は一時21025円まで下げた後、清算値は大阪比210円高の21550円だった。これにサヤ寄せする格好から先物主導によるインデックス売買が日経平均を押し上げよう。

これにより、日経平均は足元で上値を抑えられている25日線を捉える可能性がある。買い一巡後はこう着感が強まりやすいだろうが、25日線を支持線に変えることができれば、投資家のセンチメントは改善することが期待される。ただ、米中通商問題の動向次第で荒い値動きになりやすく、積極的な上値追いの流れは限られ、先物に振らされやすい需給状況になろう。

また、昨日は米ハイテク株の上昇に対しても波及効果が限られており、ファーストリテ<9983>がけん引していた。本日もハイテク株が買い一巡後に動きが鈍るようだと、日経平均は25日線での攻防から不安定な値動きに向かいやすい。また、物色についても先物主導で指数インパクトの大きい値嵩株が日経平均をけん引。一方で中小型株については、IPO銘柄に絞られそうだ。国内の政治リスクも引き続き上値を抑えるだろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■住友鉱の18年3月期経常利益は1250億円前後の公算、従来予想上振れもサプライズなし

住友鉱<5713>の18年3月期経常損益は1250億円前後の黒字(前期は15億円の赤字)になったようだと報じられている。黒字額は従来の会社予想を50億円超上回り、3期ぶりの水準を回復する。銅やニッケルなど非鉄金属の市況が会社想定より高く推移し、資源・精錬事業の収益改善につながった。売上高も従来予想(同17%増の9190億円)に対して、9400億円程度に上振れたようだ。市場コンセンサスで18年3月期経常利益は1260億円程度とされており、今回の業績観測報道は良好な内容ながら大きなサプライズはない。米中貿易摩擦が世界経済を下押しすることへの懸念が根強いなか、各国の通商政策や非鉄金属市況の動向を睨みながらの展開が続きそうだ。


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(24264.30、+230.94)
・ナスダックは上昇(7042.11、+100.83)
・SOX指数は上昇(1319.01、+16.92)
・VIX指数は下落(20.06、-1.04)
・シカゴ日経225先物(21550、+210)
・ドル円、1ドル106円70-80銭
・IPO活況、個人投資家の物色意欲強い
・日銀、大規模な金融緩和を維持
・日経平均は上昇(21319.55、+27.26)

・住友電<5802>、微小な亀裂検出、焼結部品、AIで「見逃しゼロ」
・神戸鋼<5406>、超ハイテン設備増強、車の軽量化に即応、500億円投資


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・10:30  豪・貿易収支(2月)  8.25億豪ドル  10.55億豪ドル



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~先物に振らされやすい需給状況に